キヤノンメディカルシステムズ/新しいワークフローを提案する1.5テスラMRI 「Vantage Fortian」の販売を開始
キヤノンメディカルシステムズ(本社︓栃木県大田原市)は、新しいワークフローを提案しMRI検査の質と効率を両立する、1.5テスラ DLR-MRI(注1) Vantage Fortian(注2)(ヴァンテージ フォルティアン)の国内販売を本日より開始する。
高度化する医療の現場において、MRI検査に対する要求は年々高まっている。より精度の高い医療のための検査の質向上の要求だけでなく、MRI検査の種類も拡大しており、MRI装置に求められる性能も高まっている。一方で、感染症の世界的な拡大の影響も甚大で医療現場は深刻な人手不足に陥っており、より簡便に検査を行えるニーズが高まっている。この、「高性能で、使いやすいMRI」への要求にまさしく応えた装置が、Vantage Fortianである。
Vantage Fortianは、画像クオリティを引き上げるディープラーニング(注3)を用いたSNR向上技術「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」を標準搭載。さらには、MRI検査のワークフローとクオリティを洗練する様々な技術により、質の高い検査を日常的に行うことで、医療に貢献するMRI装置である。
新製品の主な特長
1. 新しいMRI検査ワークフローを提案
Vantage Fortianは、新規デバイスとの連携や、アシスト技術の拡張により、検査の各段階をアシストすることでMRIの新しいワークフローを提案し、「より操作が簡単」なMRI検査を実現。キヤノン製のカメラを採用した「シーリングカメラ」は、寝台上の患者の位置を認識し、必要なガイド線をインテリジェントモニタに表示する。このガイドにより検査前のコイルセッティングを簡便化する。そのほか撮像断面の支援機能Auto Scan Assist(注4)が従来の4部位から全身7部位へ拡大。実際の撮像においては、AiCEと高速撮像技術の併用により検査ルーチン全体を高速かつ高画質で撮像することが可能。
また、患者に快適に検査を受けてもらうための配慮として、静音化技術Pianissimo Zen、広い検査空間を実現する71cm Open Bore設計がある。新しいグロスコーティングは光沢のある表面塗装により、検査間の消毒をしやすいため、操作者も患者も安心して検査を受けてもらうことができる。
2. より安定した高品質検査を実現
AiCEはディープラーニング技術を用いて設計したノイズ除去再構成技術であり、画像内のノイズのみを選択的に除去し高SNR画像を再構成する。大幅なSNR向上効果により高分解能画像の短時間収集が可能となり、限られた検査時間の中でより高精細な画像を提供し確実な診断をサポートする。
一方で、AiCEによってノイズが除去されて、画像そのものがきれいになったとしても、MR検査中の様々な要因によって生じる余計な信号(=アーチファクト)により画質が低下すれば、診断の支障となり再検査が必要な場合もある。Vantage Fortianでは、検査中の患者の動きによるアーチファクトを低減する新しい補正技術IMC(Iterative Motion Correction)を搭載。その他、拡散強調画像の歪みによるアーチファクトを低減するRDC等、アーチファクトを除去する多彩な技術によって、MR検査の安定性を向上させる。
なお、本製品は、2022年4月15日~4月17日に開催される国際医用画像総合展(ITEM2022)において、展示を行う予定。
注1ディープラーニングを用いて設計した再構成技術を搭載したMRI装置。
注2Fortianの名前由来︓ラテン語”fortis”より。安心感・信頼感を持って頼れるMRI装置という願いを込めて名付けられた。
注3本システムは画像再構成に用いるネットワーク構築にDeep Learningを使用しており、本システム自体に自己学習機能を有していない。
注4 Auto Scan Assistは断面設定アシストEasyTechの新名称。
問い合わせ先=キヤノンメディカルシステムズ 広報室
TEL:0287-26-5100