富士フイルム/ソフトウェアの動作環境を提供する 小型拡張ユニット「EX-Mobile(イーエックス モバイル)」新発売
富士フイルム(本社:東京都港区)は、当社のカセッテサイズデジタルX線画像診断装置(以下、カセッテDR)と連携して使用する小型拡張ユニット「EX-Mobile(イーエックス モバイル)」を富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)を通じて10月25日より発売する。「EX-Mobile」は、AI技術を活用して胸部X線画像から結節・腫瘤影、浸潤影、気胸の候補領域を検出する「胸部X線画像病変検出ソフトウェアCXR-AID(以下、CXR-AID)」※2の動作環境を提供するもの。「EX-Mobile」の活用により、救急治療室、クリニック、在宅診療などの幅広い臨床現場で「CXR-AID」の解析結果をコンソール上ですぐに確認することができ、さまざまな医療現場で効率的なワークフローの実現に貢献する。
X線検査では、撮影した画像を診断するためのシステムに転送し、読影医が読影・診断する。昨今、画像診断におけるAI技術の活用の広がりとともに、救急現場や病棟のベッドサイド、在宅診療など、さまざまな臨床現場において、スピーディーで適切な診断につなげるため、AI技術を活用した画像解析ソフトウェアの結果をその場で確認するソリューションが求められている。しかし、一般的に、AI技術を活用した画像解析ソフトウェアは処理負荷が大きく、汎用PCでは解析結果の確認に時間がかかるため、解析処理の時間短縮が課題となっていた。
今回発売する「EX-Mobile」は、AI技術を活用して胸部単純X線画像から結節・腫瘤影、浸潤影、気胸の候補領域を検出し医師の画像診断を支援する当社のソフトウェア「CXR-AID」の動作環境を提供する小型拡張ユニットである。本拡張ユニットにインストールした「CXR-AID」が、カセッテDRから胸部X線画像データを受信し、拡張ユニットに内蔵されたGPU※3で高速処理した解析結果をカセッテDRのコンソール上に即時に提示する。※4
「EX-Mobile」は重量約500gと軽量小型で、汎用X線撮影装置や移動型X線撮影装置などを使う現場で使用できるため、救急や在宅診療、また新型コロナウイルス感染症対策として設置された発熱外来用仮設テント内など、さまざまな環境下におけるX線撮影において、迅速な診断のための活用が期待される。「EX-Mobile」を活用することで、医療従事者間での素早い情報共有が可能となり、医療従事者の効率的なワークフローの実現に寄与する。
※1 AI技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた、コンピュータ支援検出ソフトウェア(Computer-Aided Detection =CAD)。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
※2 胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID
販売名:胸部X線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689型
承認番号:30300BZX00188000
※3 GPUは3次元グラフィックスなどの画像を作成・処理する際の演算を行う半導体プロセッサで、高速演算処理を可能にし、大量の並列演算が必要となるDeep Learning処理に適していると言われている。
※4 コンソールでの解析結果の表示は、「CXR-AID」による処理が実施された事を確認するためのものであり、診断を目的としたものではない。CXR-AIDの解析結果を利用した読影は画像診断ワークステーションで行う必要がある。
問い合わせ先=富士フイルムメディカル 営業本部 マーケティング部
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