日立製作所/OPExPARKと協業し、SCOT をコンセプトとした情報統合手術室 METISを販売開始
日立製作所ヘルスケアビジネスユニット(以下、日立)とOPExPARK オペパーク(以下、OPExPARK)は次世代情報融合プラットフォーム「OPeLiNK オペリンク」の販売に関して合意した。本合意に基づき、日立は2021年2月26日から情報統合手術室「METIS メーティス」の販売を開始する。「METIS」はこれまでAMEDプロジェクトにて取り組んできたSmart Cyber Operating Theater SCOTの概念の下実現した、「OPeLiNK」を中核とする情報統合手術室である。
現状、手術室の現場では多種多様な医療機器・設備から発生する膨大な情報を医師やスタッフが限られた時間内に判断しつつ治療を行っている。これらの機器はお互い独立して稼働しており、治療として行われる医療行為や患者の生体情報は、それぞれに個別に記録されている。
日立はこれまで、長年培った画像診断機器の技術を治療支援に拡張してきた。術中MRIシステムや、外科手術を行う際に電気メスなどの手術器具の位置をMRIやCTから取り込んだ画像上に表示し、リアルタイムな手術操作箇所の把握を支援する 手術ナビゲーションシステムなどの手術支援ソリューションを提供し、治療成績の向上に貢献している。
一方OPExPARKは、あらゆる機器や既存の仕組みとのネットワーク化し、手術室内の各機器の出力データを、デバイス非依存で常に同じフォーマットの表示として提供可能とする情報融合プラットフォーム「OPeLiNK」を開発してきた。現在は「OPeLiNK」を活用した手術機器情報統合システムの開発・販売と、同システムから抽出したデータを基に、いつでも・どこでも最先端の手術が学べる教育コンテンツを制作・配信するサービスを手掛けている。
今回、日立がもつ手術室インテグレーションノウハウとOPExPARKの情報融合プラットフォーム「OPeLiNK」を組み合わせることで、MRI画像などの映像系に限らず、生体情報などさまざまな手術時の情報を一元管理できる情報統合手術室を実現した。日立は、「OPeLiNK」を軸に、医療機器を含む手術室のエンジニアリング、手術室運用効率化支援、メンテナンスを各科・各症例向けに SCOTのコンセプトの下パッケージ化し、「METIS」として販売を開始する。「METIS」の導入により、手術室内の各種医療機器から発生する異種情報を時間同期させて保存することが可能となり、従来では困難だった手術過程におけるイベントの多面的な分析を可能とする。また、病院内の離れた場所との手術統合情報の共有により、場所を問わず手術室の状況を把握することができる。さらに手術室外にいる熟練医師が映像上に注釈を書きこんだり、音声を共有することができ、執刀医と熟練医のコミュニケーションを支援する。
今後、日立とOPExPARKは情報統合を活用した手術情報のデータベースの作成や、本データベースを用いた各科・各症例向け手術支援アプリケーションの拡充を行い、「METIS」の使いやすさや価値向上に取り組んでいくことで医療の発展に貢献する。
■SCOTとは
治療効果向上とリスク低減を両立するため、治療空間自体が一体のシステムとなるスマート治療室「SCOT」をAMEDプロジェクト(未来医療を実現する医療機器・システム開発事業「安全性と医療効率の向上を両立するスマート治療室の開発」 )の支援のもと、東京女子医科大学を中心に5大学11企業の連携により開発し、2018年7月からOPeLiNKを活用した臨床研究を開始した。
問い合わせ先=日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 放射線診断事業部
ソリューションビジネス本部 外科治療ソリューション部
Email:fumitaka.sekikawa.mx@hitachi.com
問い合わせ先=OPExPARK 経営管理部
Email:motozono@opexpark.co.jp