日立製作所/マルチスライスCT
日立製作所は、64列マルチスライスCTシステム「SCENARIA View(シナリア ビュー)」を発売した。
同製品は、画像の再構成方法に次世代の逐次近似応用再構成機能として、同社が独自に開発したIPV(Iterative Progressive reconstruction with Visual modeling)を搭載し、胸部レントゲン撮影と同程度の被ばく線量と画質向上の両立をめざした。また、ガントリデザインを刷新し、開口径を従来機「SCENARIA」より5cm広い80cmとしたことで、被検者に快適な検査環境を提供する。さらに、X線高電圧装置をガントリと一体化したデザインとしたほか、ガントリ、寝台、操作卓の3ユニット構成とすることで、スペースの限られた施設でも導入が容易となる。循環器領域を含めた大規模医療施設からクリニックまでさまざまな医療施設を対象とし、被検者と操作者双方に快適な検査環境の実現とスループット向上による病院経営の効率化に貢献する。
<特長>
▽CT画像の再構成方法として、同社が独自に開発した次世代の逐次近似応用再構成機能であるIPVを搭載。IPVは、低線量時の撮影で発生するノイズを繰り返し除去しつつ画像の質感を維持することで、低線量の撮影時でも視認性の優れた画質を得ることができる。逐次近似応用再構成法は、画像を再構成するために複雑な計算を必要とするが、IPVでは専用のオペレーションルームや追加のハードウェアを必要としない。画像再構成法として一般的なFBP含と比較して画像ノイズ低減率は最大90%、被ばく低減率は最大83%で、画像ノイズや被ばく線量を低減する
▽ガントリ開口径は、従来機より5cm広い80cm。狭いところが苦手な被検者が安心して検査を受けられる環境、および技師など操作者が被検者へアクセスしやすく被検者のポジショニングが容易となる検査環境への配慮など被検者と操作者双方に快適な検査環境を提供する。ガントリ形状は、凹凸を排除したSquare Ellipse(四角楕円)デザインを採用。装置の圧迫感を減らすことで、定期的に検査を受ける被検者や小児の負担を軽減する
▽撮影範囲を自動で設定するスキャン範囲自動設定機能「AutoPose」を搭載。検査時に、撮影範囲を手動で設定することなく、撮影されたスキャノグラムから画像処理を行い、撮影範囲を自動設定(自動算出された撮影範囲を操作者が確認、調整)する。また、MPR処理や3D処理などの解析処理やサーバーへの画像転送をプロトコルに組み込むことができ、検査時間の短縮が図れる
※問い合わせ先=日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット グローバルビジネス統括本部 TEL 03・6284・3100