日立製作所/MRIシステム
日立製作所は、磁場強度1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Smart(エシェロン スマート)」を発売した。
<特長>
▽同社独自開発の静音化技術「Smart Comfort」は、傾斜磁場パルスの形状を見直し、撮像パラメータの調整をすることで、撮像時間、コントラスト、画像SN比、空間分解能をほとんど変化させずに撮像音を最大で94%低減。MRI撮像で重要であるT1強調画像、T2強調画像、およびMRA画像など主なルーチン検査でこの静音技術を利用することができる
▽超電導MRIシステムは、検査に使用していない時でも超電導状態を維持するために、磁場を発生させる超電導コイルを液体ヘリウムで冷却する必要があり、液体ヘリウムが気化しないように冷却装置を運転し続けるため、高額なランニングコストがかかる。同製品に搭載される省エネ機能は、液体ヘリウムが蒸発することなく効果的に電力消費を削減できるため、ランニングコストを低減する
▽従来のMRIシステムでは、受信コイルで検出した信号をアナログ回路で周波数変換していたが、アナログ回路ではノイズ混入による画質への影響が課題であった。同システムでは、高速A/Dコンバータ(アナログ・デジタル変換器)搭載した受信システムを採用。MRIの高周波受信信号をダイレクトにデジタル化することにより、ノイズの発生を抑え画質の向上に寄与する。また、高感度16チャンネル受信コイルシステムによる最適化画像合成技術を搭載。各チャンネルからの受信信号のSN比(信号とノイズの比率)に従い画像を合成することにより、鮮明な画質が得られる
▽撮像断面の設定支援機能「AutoPose」や、検査時の体の動きによる画像劣化(モーションアーチファクト)を低減する撮像機能「RADAR(RADial Acquisition Regime)を搭載。AutoPoseは、頭部検査の際、最適な撮像断面を自動的に設定できるため、複雑な撮像断面の設定を行う必要がなく検査者の負担を軽減する。RADARは、体の動きによる画質劣化を抑えることで、再撮像の頻度を減らして検査時間の短縮ができるため、特に血流の影響が大きな頭部撮像や、呼吸の影響を受けやすい腹部撮像などで検査時間の短縮効果が期待できる。またRADARは、静音機能との併用も可能で、MRI検査が苦手な被検者の検査環境を改善することができる
※問い合わせ先=日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット マーケティング本部 TEL 03・6284・3100