島津製作所/健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」発売(24.10.9)
島津製作所は、10月9日から健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」を国内で発売。本製品は介護事業者や自治体向けで、導入組織が施設利用者、住民の計画的な健康管理に用いる。日常の生活ログ(生活習慣・運動習慣)や健診結果などのデータをクラウドに収集・見える化する統合レポートにより、利用者の健康増進(認知症やフレイルなどのリスク低減)をサポートするクラウド型サービス。
2020年における日本の平均寿命は84.2歳であり、自立した生活が送れる健康寿命と約10年の差がある。要介護に至る主な原因には認知症、転倒・骨折が挙げられる。これらの予防には、生活習慣や運動が重要だといわれている。生活習慣の改善を含めた日常的な健康管理は当事者の心掛けに委ねられており、健康データの分析・有効活用にも個人差がある。また、介護事業者の人手不足などにより、複数の健康データを踏まえた個別対応に課題があった。
SUPOFULLは、健康データを簡単に可視化できる組織向けの健康管理システムである。データの見える化によって、利用者の健康増進を促す。SUPOFULLが収集できるデータの一つであり、加齢や健康に関わるといわれる最終糖化産物(AGEs)の蓄積レベルを測定できる「AGEsセンサ」(エア・ウォーター・バイオデザイン株式会社製)の測定データや、体力測定、多くの健診施設・高齢者施設で活用されている体成分分析装置「InBody」(インボディ・ジャパン製)などで測定した骨格筋指数、生活習慣アンケート、健診結果(血液検査)を管理する。また、血液検査については、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)のリスクを調べる「MCIスクリーニング検査プラス」(運営会社:MCBI)の検査結果を集約できる。AGEsスコアと生活習慣アンケートより、システムから運動や食事、睡眠のアドバイスを含むレポートを「SUPOFULL」導入組織管理者に提供する。レポートは端末などで閲覧できるため、管理者や家族にも健康状態が共有できる。
同社はこれまでにも、デイサービス施設「ひとつの会 たまのや」(山口県防府市)との実証実験や、越前市との連携協定などを通じて、SUPOFULLの社会実装に向けて開発してきた。導入施設では、「生活習慣の改善やトレーニングに取り組む人が増えた」「利用者間や家族とのコミュニケーションが活性化した」という結果が得られている。同社は、PETや骨密度測定、脳機能イメージングfNIRSなどの技術を有しており、これらの検査データを健康増進プラットフォーム「SUPOFULL」に集約していく。
島津製作所は分析計測機器や医用機器を用いた健康に関わるトータルソリューションを提供する「メドテック事業」に注力して、健康意識の向上や病気の早期発見に寄与することで、健康寿命の延伸に貢献していく。
新製品の特長
1. 組織的な大人数に対する効率的な健康管理
介護事業者や自治体向けなどの組織に導入することで、健康データを一括管理できる。
2. 多数の健康情報を取り扱う
利用者の基本情報やAGEsスコア、体力測定、生活習慣アンケート、健診結果(血液検査)などをSUPOFULLに集約することで、データを可視化できる。InBodyで測定できる骨格筋指数もSUPOFULLに取り込める。
3. 専門家の監修に基づくアドバイス
「健康レポート」には、AGEs測定結果やプログラムの取り組み状況の他に、生活習慣のアドバイスが記載される。生活習慣のアドバイスは、島根大学名誉教授/元日本脳ドック学会理事長の小林祥泰先生が監修している。導入組織の管理者は、このアドバイスや可視化データに基づいて指導を行える。
問い合わせ=
島津製作所 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ
TEL: 075-823-1110