富士フイルム/医師の画像診断ワークフローを支援するAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer Ver2.4」提供開始(2024.4.1)

富士フイルム/医師の画像診断ワークフローを支援するAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer Ver2.4」提供開始(2024.4.1)

富士フイルム(本社:東京都港区)は、医師の画像診断ワークフローを支援するAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer(シナプス サイ ビューワ)」の新バージョン「SYNAPSE SAI viewer Ver2.4」を、富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)を通じて4月10日より提供開始する。
 今回提供を開始するVer2.4では、周辺組織と比較して高吸収/低吸収な領域を強調表示する機能「SAIフィルタ」の対象臓器を拡大。また、大動脈瘤の長径・短径を簡便に計測できる「大動脈ビュー」、ユーザーが指定した神経膠腫(グリオーマ)疑いのある領域内のVOIを抽出する「頭部関心領域セグメンテーション」を搭載した。

主な機能は以下となる。

(1) 肺動脈低吸収値強調フィルタ
胸痛などで救急診療を受診した患者に対して、冠動脈、大動脈、肺動脈を同時に診断するトリプルルールアウトCT検査を行うことがある。トリプルルールアウトCT検査で発見できる疾患の1つである急性肺塞栓症は、救急患者の院内死亡率の高い疾患であり、早期に発見し治療を開始することが重要である。また、慢性肺塞栓症は自覚症状が現れにくいため、発見が難しいという課題がある。本機能は、造影CT画像上の肺動脈において、周辺組織と比較して低吸収な領域に色を付けて表示することで、造影欠損域を血栓有無の評価に使用でき、肺塞栓の診断支援に繋がることが期待される。

(2) 副腎吸収値強調フィルタ・膵臓吸収値強調フィルタ
周辺組織と比較して高吸収/低吸収領域を強調表示する「SAIフィルタ」が、副腎、膵臓にも対応した。副腎は、胸部CT、腹部CT検査共に撮影範囲に含まれる臓器で、CT画像上では形態、濃度の変化を呈することがある。本機能は造影・非造影CT画像の両方に対応している。また、膵臓の造影CT画像に対して、臓器セグメンテーション技術で認識した脈管系の情報を用いて、膵頭部/膵体部/膵尾部の3つの解剖区域でラベリング付けを行う機能も追加した。所見文候補作成機能と合わせることで、関心領域の場所や大きさなどの計測値情報を自動入力でき、所見レポート作成の負荷を軽減する。

(3) 大動脈ビュー
「2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン」で、大動脈瘤径の計測を行う際には、大動脈長軸に直交する断面像において、長径と短径を計測することが示された。今回提供する「大動脈ビュー」では、大動脈の中心線に直交する断面で瘤径を計測するCenter line法に基づき、大動脈瘤の長径・短径を簡便に計測できる。また、「大動脈ビュー」では、ビューワ内に直交断面/VR/CPRの3画面を表示可能。VRの大動脈上には中心線が表示され、中心線上でクリックすると、各点に直交する断面で短径の計測結果が確認できる。また、全断面のうち、短径が最大となる断面を強調して表示することで、再現性と読影業務の効率化が期待できる。

(4) 頭部関心領域セグメンテーション
ユーザーが指定した神経膠腫(グリオーマ)疑いのある領域内のVOIを表示し、体積や長径を計測することが可能で、神経膠腫の画像診断に繋がることが期待される。

富士フイルムは、AI技術ブランド「REiLI」のもと、AI技術の医療における活用の幅を広げることで、医療画像診断支援、術前シミュレーションの支援、医療現場のワークフロー支援などに取り組んでいく。

問い合わせ=富士フイルムメディカル マーケティング部
TEL:03-6419-8033

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