東芝メディカルシステムズ/マルチスライスCT
東芝メディカルシステムズは、逐次近似再構成 を搭載した320列Area Detector CT「Aquilion ONE/ViSION FIRST Edition(アクイリオン ワン / ビジョン ファースト エディション)」の国内販売を開始した。
近年、画像診断において、X線CT装置は重要な役割を果たしており、検査を受ける患者のためにより一層の被ばく低減と、画像診断をする医師たちのために、さらなる画質の向上が求められている。これら要望の実現のため開発されたのが順投影適用モデルベース逐次近似再構成(FIRST:Forward projected model-based Iterative Reconstruction SoluTion)。FIRSTは、従来のX線CTの画像再構成(FBP:Filtered Back Projection)に比べ、低線量で高画質な画像の提供が可能な新たな画像再構成である。
<特長>
▽焦点や検出器マトリクスサイズなどの幾何学的情報を考慮した光学モデルを適用することによって、より正確な画像再構成が達成できボケの改善や空間分解能の向上が可能。FBPでは、高周波成分を強調させる再構成関数を用いるとオブジェクト辺縁にアンダーシュートやオーバーシュートが目立つ場合があるが、同製品では再構成関数を用いないため、これらの発生を抑制した画像の描出が可能
▽システムモデル、統計学的ノイズモデルなどの各種モデルを効果的に適用。これにより、淡いコントラスト形状を保ちつつノイズを低減することが可能となり、FBPより低コントラスト検出能向上が期待できる。また、診断の妨げとなる肩や骨盤などの骨に囲まれた領域や、腕おろし検査時等に発生するストリークアーチファクトも飛躍的に低減することが可能
▽ルーチン検査に限らず、動態検査や小児検査など、より低線量撮影が望まれる検査に適用できます。逆投影(Back Projection)と順投影(Forward Projection)の繰り返し処理の過程で、ノイズ成分のみを効果的に除去することができるため、FBPによる再構成画像と同レベルの画質であれば、より低線量で撮影可能で、特に低線量撮影になるほどノイズ除去効果は大きくなる
▽新開発の専用画像再構成システムにより、FBPと並列でFIRSTの処理を実施することができ、FIRSTの膨大な演算量に対しても、精査で使用可能な画像再構成速度を実現。また、胸部のような高コントラスト領域と、腹部のような低コントラスト領域を考慮し、複数のパラメータから最適なものをユーザが自由に選択することができる
※問い合わせ先=東芝メディカルシステムズ 広報室 TEL 0287・26・5100