日立製作所/放射線治療領域で培った技術を結集し開発した 「線形加速器システム OXRAY」を発売
日立製作所(以下、日立)は、新製品「線形加速器システム OXRAY」(オクスレイ)を 7 月 19 日から販売開始する。本製品は、日立が培ってきた照射技術と画像技術を統合し、加速管、マルチリーフコリメータを持つ照射ヘッドを動作させるジンバル機構と 2 対の kV イメージャ装置を、O-リング型ガントリー内に内蔵したオールインワンプラットフォームの画像誘導型高精度 X 線治療装置である。
高剛性の O-リング型ガントリー構造により、ターゲットに対して高い精度で治療用X線を照射することができる。通常のガントリー回転にリング旋回を加えることで、患者寝台を動かすことなく多方向(非同一平面)から連続的に照射することができ、線量分布の改善が期待できる。画像誘導治療を支える画像システムとして、X 線画像とコーンビーム CT 画像を撮像可能な2対の kV イメージャ装置と照合装置を搭載しており、位置照合の高速化に寄与する。超小型の加速管と照射野を成形するマルチリーフコリメータはジンバル機構に搭載され、治療用X線の照射方向を変化させることで、動くターゲットに対する追尾照射を可能にしている。
■新製品の特徴
1.ガントリー回転とリング旋回による2軸回転運動照射
OXRAY では、一般的なガントリー回転に加えて、装置土台部分を水平方向にリング旋回させることができる。この2軸の回転運動によってガントリー回転のみでは追求できなかったさまざまな照射軌道を選択することができ、正常組織へのさらなる線量低減とターゲットへの線量集中性向上の可能性を広げることができる。さらに、治療中に患者の寝台を動かす必要がなく、患者の精神的・身体的負担の軽減と、スループット向上に貢献する。
2.システマティックな位置決め・補正機能
直交する 2 対の kV イメージャ装置を O-リング内に搭載し、患者位置決め時の正・側2方向からの X 線画像の同時撮像やデュアルソースコーンビーム CT 画像の取得により、撮像時間の短縮に寄与する。ロボティックカウチとリング回転により6軸の位置補正が可能となる。
3.動体追尾照射を可能にするジンバル機構
加速管などの照射ヘッドやマルチリーフコリメータをジンバル機構に搭載し、治療ビームの照射方向を 2 次元的、かつ動的に変化させることができる。これにより、呼吸などで動くターゲットに対する追尾照射を可能にする。
問い合わせ=日立製作所 ヘルスケア事業本部 ヘルスケアイノベーション事業部 スマートセラピー本部 X 線治療システム部
E-mail:hc.rt-marketing.kp@hitachi.com