バイエル薬品 /画像診断におけるAI活用の最新動向と新製品を紹介
バイエル薬品は4月10日、プレスセミナー「医療用画像診断におけるAI活用の最新動向と未来」をオンライン上で開催した。
セミナーでは、基調講演として村上卓道氏(神戸大学 放射線診断学教授)が「画像診断におけるAIの役割」と題した講演を行った。
村上氏は、まず、画像診断機器の技術的進歩に触れ、CTによる多次元画像やMRIによる機能画像などの有用性を紹介。そして、画像診断機器の進歩による画像データの膨大化と、日本におけるCT、MRI等の高額医療機器の台数増加、放射線科医の不足の問題から、画像診断におけるAI活用の必要性を強調した。
画像診断でのAIの利用においては、撮像部位、画質、被ばくを考慮した適正な撮像や、画像の中から異質な部位を検出する存在診断が可能であると述べ、さらに質的診断についても、神戸大がHACARUS社と共同研究中の人工知能による肝細胞癌病変自動同定・診断の画像を紹介しながら、その可能性について説明した。
最後に、村上氏はAIの今後について「現状から考えると、AIがエキスパートである放射線科医の診断能力を超えることは当分ないが、一方で、医療機器の進歩により膨大化する画像データを解析してくれるAIは放射線科医・診療放射線技師の味方である」と評価。AIとの共存で、より質の高い医療と働き方改革の実現が可能となると結論づけた。
続いて、バイエル薬品ラジオロジー事業部の三川雅人氏とHACARUS社の藤原健真氏がトークセッションを行い、両社の共同開発によるオンプレミス型の画像解析ソフトウェア「Cal.Liver.Lesion(カルリバーリージョン)」の特徴と開発背景、共同開発の内容と今後の展望について説明した。