富士フイルムメディカル/上部消化管用細径処置スコープ「EG-840TP」新発売

 富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、4色のLED光源搭載の内視鏡システム「ELUXEO(エルクセオ)」用の上部消化管用細径処置スコープ「EG-840TP」を発売した。本スコープは、先端部径7.9mmの細径ながら鉗子口径3.2mm・副送水機能・ハイビジョン画質を実現することで、観察から処置までをサポートするもの。

 食道や胃などの消化管の早期がん治療において、近年は、内視鏡下で行われるEMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)といった患者の身体的負担の少ない低侵襲治療の普及が進んでいる。これらの内視鏡治療は病変の切除や止血処理など、高度な技術が要求されるため、スコープの操作性や挿入性の向上が求められている。

 今回発売する、上部消化管用細径処置スコープ「EG-840TP」は、先端部径7.9mmと細径ながら、従来処置スコープ(*1)同様の鉗子口径や副送水機能を搭載することで、食道・十二指腸など管腔の狭い部位や狭窄箇所での処置性向上が期待される。また、下方向の湾曲角度を従来処置スコープ(*1)の120°から160°に拡大した。これにより、胃噴門部や十二指腸・食道などの部位へのアプローチ性向上が期待される。さらに、高解像度CMOSセンサー搭載により、近接から遠景まで高精細でクリアな画像を提供し、確実な処置をサポートする。

 また、「EG-840TP」は、細く柔軟であるため、咽頭反射など患者の負担軽減が期待できる。副送水機能と、上部消化管用汎用スコープ(*2)より大きい鉗子口径3.2mmを搭載することで、粘液の洗浄と吸引が行いやすく、観察から治療まで1本のスコープで完結できることを目指している。

 AI技術を活用(*3)して開発された上部消化管用内視鏡診断支援ソフトウェア「EW10-EG01」と組み合わせることで、胃腫瘍性病変(*4)や食道扁平上皮癌(*5)が疑われる領域をリアルタイムに検出することができ、観察から診断までこれまで以上にサポートする。

*1 当社従来処置スコープ「EG-L580RD7」との比較。
*2 当社上部消化管用 汎用スコープ「EG-760R」との比較。
*3 AI(人工知能)技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
*4 早期がんやがんの前段階(前がん病変)であり、一般に切除する必要があると考えられる病変。
*5 細長い管状の臓器である食道の壁は多層構造になっており、一番内側の粘膜上皮から発生するのが扁平上皮癌。

主な特長
(1)先端部径7.9mmと細径ながら鉗子口径3.2mm・副送水機能を実現
従来処置スコープ(*6)から先端部径を約2割細くし、7.9mmとした。これにより、咽頭反射や嗚咽感など患者の負担軽減、食道・十二指腸など管腔の狭い部位や狭窄箇所での処置性向上が期待される。
内視鏡を細くすると、通常は搭載できる機能が制限されるが、本製品は富士フイルムの技術で、従来処置スコープ(*6)同等の鉗子口径3.2mm・副送水機能を実現している。
*6 当社従来処置スコープ「EG-L580RD7」との比較

(2)下方向湾曲角度160°に対応し、病変部へのアプローチ性を向上
医師はスコープの先端部を上下左右に湾曲させながら、さまざまな部位に存在する病変の診断・治療を行う。本製品は、下方向の湾曲角度を160°とすることで、胃噴門部や十二指腸などこれまでスコープが届きにくかった部位にもアプローチできることが期待される。

(3)高解像度CMOSセンサーを搭載しハイビジョン画質提供
先端部径7.9mmと細径ながら、高解像度CMOSセンサーを搭載し、クリアなハイビジョン画質を実現。近接2mmからの観察により、粘膜表層の微細な血管模様や構造の視認性向上が期待できる。また、炎症の診断や微小な病変の発見をサポートする「BLI」(*7)や「LCI」(*8)といった特殊光観察モードにも対応している。
*7 「Blue Light Imaging」および「Blue LASER Imaging」の略。
*8 「Linked Color Imaging」の略。

(4)高弾発グラデーション軟性部開発で挿入性向上に期待
挿入部先端から手元にかけて硬さと弾発性を変化させ、先端側は軟らかく、手元側はたわみにくくコシのある軟性部「高弾発グラデーション軟性部」を開発。術者の操作が先端に伝わりやすいため、十二指腸など深部挿入時の挿入性向上が期待できる。

問い合わせ先=富士フイルムメディカル マーケティング部
TEL:03-6419-8033


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