シーメンス&東海大学医学部付属病院/フォトンカウンティングCTの初期使用体験を報告
シーメンスヘルスケアは、8月9日、オンラインによるプレスセミナーを開催。テーマは「日本初のフォトンカウンティングCT『 NAEOTOMAlpha』導入による医療現場における変化と今後の課題」。
冒頭、同社ダイアグノスティックイメージング事業本部 事業本部長の桜井悟郎氏は開会の挨拶でフォトンカウンティングCT「NAEOTOMAlpha」について説明した後、「このCTのクリニカルベネフィットを臨床の先生方と一緒に作りあげていく」と、同装置の今後への期待感を訴えた。
前半のセッション「『NAEOTOMAlpha』導入による診療の変化」では、同CTの初号機を6月に導入した東海大学医学部の画像診断学領域主任 教授である橋本 順氏が講演。フォトンカウンティングCTについて、高精細な画像の描出、被ばく線量の大幅な低減、X線光子のエネルギー情報を利用した物質選択的なイメージングが可能である点を強調し、実際の症例画像でその有用性を説明。「従来のCTの長所をさらに発展させ、短所を抑えながら、MRIのような多彩なコントラスト表現が追求できる」と同CTを高く評価した。
また、同大学医学部付属病院 放射線技術科の吉田亮一氏は、同CTの運用について、AI技術の活用による検査フローの簡便化や、高精細な画像の描出について説明した。
後半のセッション「『NAEOTOMAlpha』のさらなる活用に向けた課題と期待」では、橋本氏が「従来のCT画像とは画質が大きく異なるので、画像診断上、最初は戸惑いを覚える」と述べるなど、高精細な画像を描出できるが故の課題を説明。
また、同CTの未来像について橋本氏は「日本の医療被ばくの問題解決に大いに寄与できる装置である。また、エネルギー情報を利用して様々な物質を描出できる機能は、新しい造影剤開発の端緒になるのではないかと期待している」と述べた。