PHC/関節リウマチなどの患者の負担を軽減し、効率的な治療が可能な電動式医薬品注入器を対象としてEU-MDR認証を初めて取得
医療機器や診断機器などを提供するPHC 診断薬事業部(以下、「PHC IVD」)は、2022年2月3日付けにて、TNF阻害薬用電動式医薬品注入器「APP-1000」を対象とした欧州医療機器規則(EU-MDR)の認証を取得した。
本製品は、抗炎症薬であるTNF阻害薬治療を受ける関節リウマチなどの患者が、在宅で、簡単且つ正確に製剤の皮下注射を行うことを可能とし、投与履歴の本体への記録を実現するものである。この認証取得により、今後、EU諸国、スイス、および南アメリカなどを含む約20ヵ国で本製品の提供が可能となる。
「APP-1000」は、クラスIIa(※1)に分類されるポータブル型の医療機器で、PHC IVDの徳島県・脇町工場で製造されている。本製品の使用において、患者は煩雑な操作を行う必要がなく、ボタンを押すだけでTNF阻害薬を自動的に皮下注射することができる。また、LCD画面にイラストを用いたガイダンスを表示することで、機器の操作をより簡単に行うことが可能。さらに、本体のメモリーに保存された投与履歴はBluetoothを介してスマートフォンに送信できるため、患者自身や医師によるデータ確認がリモートでいつでも行える。尚、本製品は必要に応じて注射速度を3段階から選択できる。
EU-MDRは、欧州委員会が2021年5月26日より適用開始した医療機器に関する規則である。これは、医療機器指令(MDD)および能動埋込型医療機器指令(AIMD)に代わるもので、医療機器の安全性と品質の向上を図り、公衆衛生と患者の安全を守るための市場における透明性を高めることを目的として制定された。今回、ドイツに本社を構える第三者認証機関であるTÜV SÜD Product Service GmbHによって「APP-1000」に関する技術文書の審査と監査が実施され、PHCの製品では初めてEU-MDR認証を取得した。
「APP-1000」は、現在、国内で販売しているが、EU-MDRの認証を取得したことで、PHC IVDは2022年6月以降EU諸国、スイス、および南アメリカでも提供を開始する。
(※1)EU-MDRでは医療機器を使用用途とリスクレベルに応じてクラスI(低リスク), クラス IIa, クラス IIb, クラス III(最高リスク)に分類
問い合わせ先=PHCホールディングス IR・広報部
TEL: 03-6778-5311