富士フイルムと富士フイルムヘルスケア/グループとしてシナジー効果が出始めた現況を紹介
富士フイルムは、富士フイルムヘルスケア(以下ヘルスケア社)をグループに加え、グループ企業間のシナジー効果創出の進捗とメディカルシステム事業の今後の成長戦略に関して4月5日、富士フイルム本社(東京・港区)で記者説明会を行った。登壇者は、秋山雅孝氏(富士フイルム執行役員メディカル事業部長)、山本章雄氏(富士フイルム執行役員兼ヘルスケア社代表取締役)、鍋田敏之氏(富士フイルムメディカルシステム開発センター長)。
秋山氏は、冒頭「富士フイルムメディカルシステム事業の成長戦略について」と題し次のように述べた。「当社2020年度売上高2兆1,925億円の内ヘルスケア領域は5,678億円、またその内メディカルシステムが約3,500億円と中核を成している。21年度でのヘルスケア社とのグループシナジーの創出については、製品ラインアップ拡充、富士フイルムの画像処理技術、AI技術のヘルスケア社製品への搭載、そして両社の販売チャンネル・顧客基盤、サービス網による販売力の強化があった」今後の戦略として、「AI技術ブランド“REiLI”を軸に、AI・IT技術を幅広い製品に搭載して、新たな価値を創出、社会課題の解決に貢献する」とし、「メディカルシステム事業の売上を26年度には20年度の2倍の7,000億円にする」と述べた。
山本氏は、21年度のシナジー効果早期創出のための事業体制構築として「富士フイルム本社との同床化等による経営意思決定の迅速化、富士フイルムブランドの展開による市場プレゼンスの確立、工場の統合によるオペレーションの効率化を図った」と述べた。次いで販売シナジーとしては「富士フイルムグループにおけるクロスセル営業の推進、製品ラインアップ拡大によるパッケージ、一括販売の提案範囲の拡大が挙げられる」とした。また、「開発シナジー創出についても引き続き推進する」と抱負を述べた。