島津製作所/恒例の「レントゲン祭」でAI技術の活用をアピール
島津製作所は恒例の「第99回レントゲン祭」を、ヴィルヘルム・レントゲン博士の命日である2月10日に開催した。同会は、昨年に続きオンラインによる開催となった。
冒頭、同社 医用機器事業部長の青山功基氏が式辞を述べ、同社の最新トピックスを紹介。「X線画像診断分野でもAI技術の活用が進んでいるが、当社でも検査の省力化と再現性の向上を実現したX線TVシステム用の骨密度測定ソフトウェアや、昨年12月に薬機法の認可を得た遺残確認ソフトウェアの開発を行ってきた。現在はトモシンセシスでの技術活用を進めており、今後もAIの積極的活用に挑戦していく」と述べた。次に上田輝久代表取締役社長が祭祀を読み上げ、レントゲン博士の功績に敬意を表して献花を行った。
引き続き、記念公演として技術講演及び臨床講演が行われた。技術講演では、佐保辰典氏(小倉記念病院)が「AIがみせる未来の放射線医療その時 診療放射線技師は」と題して講演。人工知能を取り巻く環境やその概念等について説明した後、整形領域におけるトモシンセシスや骨密度絵領域などでのAI技術応用の取り組みを紹介した。
そして臨床講演では植田琢也氏(東北大)が「医療におけるAIの現状と未来~医療の中で正しく活用していくために」と題して講演。植田氏は、臨床医療AI研究の現状と課題に触れ、「医療的価値の観点からAI技術を見直すべき時期にきている。デザイン思考に基づく医療的価値の評価が今後の医療AI推進のキーポイント」と述べ、デザイン思考に基づく画像診断課題の設定について事例を紹介しながら解説した。