富士フイルムヘルスケア/ヘルスケア事業のさらなる充実に向けて、新たな船出をアピール

富士フイルムヘルスケア/ヘルスケア事業のさらなる充実に向けて、新たな船出をアピール

https://www.fujifilm.com/fhc

「富士フイルムヘルスケア 始動」ITEM2021の富士フイルムヘルスケアのブースでは、オープンと同時に超大型モニターにこのシンプルなメッセージが映し出された。2021年3月31日から新たに富士フイルムグループに加わった富士フイルムヘルスケアであるが、日立製作所時代からの同社の持つ高いモダリティ関連技術と富士フイルムが持つ画像処理技術、ソフトウエア技術、AIが組み合わさる相乗効果を得て、画像診断・治療の分野において大きな台風の目になることは間違いないだろう。なお、今回のITEMでは、富士フイルムメディカルの隣に位置するほぼ同規模の大ブースで、新製品を除いて日立製作所時代の製品をメインに展示したが、当然、製品についているロゴタイプは「FUJIFILM」に変更されており、気のせいか若々しい雰囲気に溢れていたように感じられた。

●【X線透視システム】「CUREVISTA Open」
同社のⅩ線透視装置のフラッグシップモデル「CUREVISTA Open」の実機が展示されていた。同装置は丁度昨年の未開催となったITEMの時期にデビューした装置であることから、ITEM初お目見えとなる。従来モデルで好評だった2WAY ARM(Ⅹ線管装置とFPDから成る映像系ユニットが動作する)を搭載しつつ、次世代画像処理エンジンにより、被ばく低減と高画質の両立を目指し、GUI(Graphical User Interface)を刷新し使いやすさを向上させている。また、整形外科領域で使用される長尺撮影のスループット向上や、SIDを変えられるⅩ線管の支持アームの採用などにより、消化器領域の検査だけでなく、整形外科、泌尿器科などにおいても様々な使い方が期待できる。

●【CTシステム】「SCENARIA View」
同社のCTは3機種あるが、その内の最上機種である。検出器列数は64列、スライス厚は0.625㎜、最速ガントリ回転速度は0.35秒と、他社の64列CTと比しても遜色ない性能を有している。たとえば頭部CT撮影など低コントラスト検出が求められる場合でも自然な画質を維持し、また逐次近似処理を求められる場合にもオペレーションの再構築や特別なハードウエアを必要としない。この「SCENARIA View」はノイズ低減率を上げた状態や低線量撮影でも高い質感とクリアな画像が得られる。また撮影手順を細分化、最適化することで、検査時間を短縮。被検者、術者双方の時間的な負担を減らすだけでなく被ばく線量も抑えられるという美点を有している。

●【1.5テスラMRI】「ECHELON Smart Plus」
4月15日に発売されたばかりの「ECHELON Smart Plus」のバージョンアップ版が展示されていた。本製品は、画質を維持しながら撮像時間を短縮できる機能である「IP-RAPID」に適用可能な撮像シーケンスを増やした「IP-RAPID2nd」を搭載させている。また、画像のノイズ信号を除去する高画質化ソリューション「REALISE Plus」を搭載。「REALISE Plus」は、複数のノイズ除去法を組み合わせ、SNRを最大46%向上させることで高画質化を実現。「IP-RAPID」の進化に加え、「REALISE Plus」も搭載することで、従来検査と比べて最大67%撮像時間を短縮可能。さらに操作者の操作を簡略化する機能「AutoExam」も搭載している。

そのほか富士フイルムヘルスケアでは、コロナ禍のイベントということもあり、富士フイルムグループが開発した薬用ハンドジェルの「お試し」を来場者にすすめていた。「HANDGEL MEDICATED」は消毒効果に特化したスタンダードタイプと富士フイルムの銀イオン技術を活かた「ハイドロAG+」の2タイプ。特に「ハイドロAG+」は消毒効果と合わせて長時間の殺菌効果が期待できるという。医療の現場ではアルコール系消毒液の不足や品質的に問題があるものもあるという。富士フイルムヘルスケアでも提供されていた「HABDGEL MEDICATED」の存在は、同社が富士フイルムグループになったことでの、今後の何らかのシナジーが期待できるような気がした。


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