富士通Japan/医療機器の不具合情報を一元管理する新サービス「パーシヴSafinn/MD」を提供開始
富士通Japan は医療機器メーカーに向けて、自社で製造した医療機器の不具合情報の入力から報告、保管まで一元管理するSaaS 型のサービス「FUJITSU ライフサイエンスソリューション tsClinicalパーシヴSafinn/MD(ティーエスクリニカル パーシヴサーフィンエムディ)」(以下 「パーシヴSafinn/MD」)を4 月から提供開始する。
「パーシヴSafinn/MD」は、長年にわたり医薬品メーカー向けに提供してきた医薬品の安全性情報管理システム「tsClinical パーシヴ」(以下 「パーシヴ」)シリーズのノウハウを生かした新サービスである。2021 年4 月の規制変更(注1)に対応しており、XML ファイルの作成から、伝送、ACK(注2)ファイルの確認までワンクリックで行える。また、入力の補助や不具合情報のデータベース化、専門のシステムエンジニアによる問い合わせ対応、CSV(Computerized System Validation)(注3)支援などの各種機能とサポートにより、顧客の業務負担を軽減する。
昨今、医療技術の進展は目覚ましく、バイオ医薬品や再生医療など、次世代医療と呼ばれる新たな治療法が次々と実用化されている。医療現場で使用される医療機器も日々進歩しているが、安心・安全な医療を提供するため、これまで以上に高い安全性が求められている。医療機器メーカーは、自社で製造した医療機器に不具合が発生した際、その情報を独立行政法人医薬品医療機器総合機
構(PMDA)へ報告することが薬機法(注4)によって義務づけられている。報告された情報は、専門的観点から分析、評価され、必要な安全対策を講じるために利用されている。
従来の不具合報告において、医療機器メーカーの担当者は、PMDA に対して所定フォーマットの報告書を紙で郵送するか、Word 形式の報告書を添付し、e-Gov 電子申請(注5)で報告していた。しかし、2021 年4 月の規制変更により、医薬品の不具合報告と同様、XML ファイルを用いた報告が義務化された。義務化にあたり、PMDA から「医療機器不具合等報告XML ファイル作成ツール」が提供されることになったが、医療機器メーカーがこのツールを使用して報告する場合、連絡票の手入力、暗号化・復号化作業の業務負荷や作業の正確性とともに、報告履歴の管理などが課題になると考えられていた。
富士通Japanは、1995 年に医薬品メーカーに対して医薬品の安全性情報管理システム「パーシヴ」シリーズを発売し、累計80社以上の医薬品メーカーに利用されている。この実績を踏まえ、従来から、一部の医療機器メーカーより「パーシヴ」のような不具合情報の管理サービスを医療機器分野においても提供してほしい、という要望が寄せられていた。
今回発表する「パーシヴSafinn/MD」は、これまで長年にわたり培ってきた経験とノウハウを生かして提供する、医療機器メーカー向けの新たなSaaS 型サービスである。自社で製造した医療機器
の不具合情報の入力から報告、保管までの一元管理を実現する。2021 年4 月の規制変更に対応しており、ワンクリックで報告書のXML ファイル作成から、伝送、ACK ファイルの確認まで行うことができる。不具合情報を入力する際、マスタ機能による予測変換や自動補填機能で入力を支援し、追加報告が必要な際には、過去情報を引き継いだ状態からの入力も可能なため、入力ミスや作業負荷を軽減できます。また、申請された情報はデータベース化されており、蓄積されたデータから不具合情報を検索することも可能である。
(注1):規制変更
「医薬品等の副作用等の報告について」の一部改正について(薬生発0131 第5 号)により、2021 年4 月から、医療機器不具合情報はXMLファイルを用いた報告が義務化(2020 年4 月施行、1 年間猶予期間)。
(注2):ACK
二者間の通信で相手に肯定的な応答を返す際に送られる信号やデータ。正常に受信した旨を伝達するために用いられる。
(注3):CSV(Computerized System Validation)
コンピュータシステムが利用者の意図したとおりに正しく機能することを確実に確認した証拠を文書化すること。ライフサイエンス分野では、コンピュータシステムを使い、データや記録を作成・保管するために求められる。
(注4):薬機法
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35 年法律第145 号)。
(注5):e-Gov 電子申請
各府省が所管する様々な行政手続について、インターネットを利用し自宅や会社のパソコンを使って申請・届出を行えるようにするもの。
<特長>
1. 顧客の作業負担を軽減するマスタ管理
マスタ機能により予測変換や自動補填が行われるため、入力ミスや作業負荷が軽減される。また、不具合用語集は自動で更新されるため、個別に手動で更新する必要はない。
2. シンプルでスピーディーな運用を実現する報告管理
ワンクリックでXML ファイルの作成、報告からACK ファイルの確認まで可能。2021 年4 月の規制変更への対応はもとより、シンプルでスピーディーな運用を実現できる。
3. 不具合情報の活用を可能にするデータベース
蓄積されたデータから過去の不具合情報を検索することが可能。また、過去の症例一覧の作成や傾向分析のためにデータを活用することができる。
4. 円滑な運用を支援する各種サポート
富士通Japanの専門のシステムエンジニアが問い合わせ対応、アフターフォローを行う。またCSV(ComputerizedSystem Validation)に向けても、独自のひな型提供をはじめ、顧客のニーズに合わせた支援が可能。
問い合わせ先=富士通Japan
TEL:0120-835-554