日立製作所/地域包括ケア支援自治体クラウドソリューションを提供開始
日立製作所(以下、日立)は、自治体や地域の介護事業者、医療機関などの複数の機関が、要介護者に関する情報を共有することができるクラウド型の情報連携基盤「地域包括ケア支援自治体クラウドソリューション」の提供を、2014年7月1日から開始する。
同ソリューションは、従来、各団体が個別に保存、利用していた情報を、高いセキュリティレベルを有したクラウド型の情報連携基盤で一括管理して、関係者で情報共有を図るものであり、医療と介護の質の向上や業務の効率化を図ることができる。同ソリューションは、日立、日立産業制御ソリューションズ、日立メディコが連携し、2013年7月から2014年3月まで茨城県笠間市において実施した行政データを情報公開・共有することによる地域の高齢者向け医療・介護体制を支援するシステムを試験導入した実績をもとに開発したものである。
従来、自治体や地域の医療機関、薬局、介護事業者などが個々のデータベースに蓄積し把握、利用していた要介護者の緊急連絡先や要介護認定状況、健康診断結果、ケアプラン、お薬手帳、および現在の病状といった情報をクラウド上に集約し、家族や自治体、医療機関、救急隊、介護事業者などがインターネット経由でパソコンやタブレット端末などからリアルタイムで閲覧することを可能にする。これにより、例えば、要介護者の容態が悪化し、救急車が出動した際、救急隊員が迅速に対象者の緊急連絡先や、過去の健康状態、介護状況、投薬情報などを把握した上で、病院や家族への連絡、確認を行うとともに救急車から救急医に対して病状などをリアルタイムに伝えることが可能となるなど、救急医療の質の向上が可能になる。また、従来、介護事業者のケアマネジャーが自治体の窓口や要介護者の自宅に出向いて入手する必要があった要介護認定に関わる情報や資料などを、介護事業者のパソコンやタブレット端末から入手可能になり、自治体職員や介護事業者の負担を軽減することが可能になる。また、複数の個人・団体間で要介護者の個人情報を扱うため、要介護者本人の意思やシステム運用者のアクセス権限管理ポリシーに合わせた情報公開範囲の詳細設定や、SSLと日立独自の暗号技術を組み合わせた二重暗号化通信、GPSによる指定場所以外での利用制限など、高度なセキュリティ機能を搭載しており、公衆回線であっても安全性の高い情報共有を実現している。