地域医療福祉情報連携フォーラム/超高齢社会への取り組みとIHE-ITIによる地域連携を解説
地域医療福祉情報連携協議会は、5月12日にシード・プランニング東京本社(東京・文京区)にて「第5回地域医療福祉情報連携フォーラム」を開催した。
同協議会会長の田中 博氏は、冒頭挨拶で「今、病院完結型から地域連携型医療への流れが起きている。昨年、政府のIT総合戦略本部が『世界最先端IT国家創造宣言』を策定したが、そこに2018年までに医療情報連携ネットワークを全国に普及させると明記されている。ますます地域医療連携が注目されるはずだ。我々も普及に努めていく」と述べた。
田邊光男氏(総務省)は「超高齢社会における総務省の取組」を講演。「超高齢社会が抱える課題は幅が広く、中でも医療の部分は非常に重要」と述べた。さらに、①超高齢社会における現状と課題、②医療分野におけるICT利活用について、③健康・医療分野における政府関係会議の動向、④医療・介護・健康分野に関する総務省の取組について、⑤超高齢社会への対応の5項目を説明し、総務省の取り組み例「日本版EHR」実証事業と「東北メディカル・メガバンク計画」の概要を紹介した。
奥田保男氏(放医研)は、「これからの地域医療連携ネットワークに活かすIHE-ITI」を講演。「IHE-ITI(IT Infrastructure)は、医療情報共有促進のため、情報統合実現を目的に設置された標準の実装方法を取りまとめたIHEの技術定義書で、放射線、循環器などの領域ごとに存在する」と述べた。また、13年度にJAHISとIHEが厚労省から受注した『医療機関間で医療情報を交換するための規格等策定に関する請負業務』-静岡県総合病院と近隣の3診療所・3薬局を結び、レセプトコンピュータを用いて診療情報を地域医療連携に提供する実証事業(すでに終了)を紹介した。