シーメンス・ジャパン/SOMATOM Symposium 2014
シーメンス・ジャパンは、8月30日にTKP東京ガーデンシティ品川(東京・港区)で「SOMATOM Symposium 2014」を開催した。同シンポジウムは、同社が2009年から5回にわたり開催してきたDual Source CTの最新技術とその臨床応用を紹介する「Definition Symposium」を名称変更したもので、今後はDual Source CTだけでなく、Single Source CTも対象に、臨床現場に有用なさまざまな情報を提供するシンポジウムとした。 開会に際してモデレータの内藤博昭氏(国立循環器病研究センター病院)は「近年、CTの技術的進歩は目覚ましいが、シーメンスはCT開発の先頭を走ってきた。このシンポジウムを通じCTの最新情報を私自身も学んでいきたい」と述べた。
同シンポジウムは、5セッションで構成された。はじめにセッション1では「CT Image Contest 2014 Japanese Edition」が行われた。同コンテストは昨年のDefinitionシンポジウムで初めて行われたイメージコンテストで、「General」「Cardio- Vascular」 「Oncology」「Dual Energy」「Pediatric」「Technical」「Best Overall」の7部門で、受賞者がプレゼンテーションを行った。受賞者は下記の通り。 《General》田村文香氏(東京都保健医療公社大久保病院)/《Cardio- Vascular》鷲塚冬記氏(東邦大学医療センター大森病院)/《Oncology》吉田亮一氏(東海大学医学部付属病院)/《Dual Energy》川嶋広貴氏(金沢大学附属病院)/《Pediatric》佐藤和宏氏(東北大学病院)/《Technical》永澤直樹氏(三重大学医学部附属病院)/《Best Overall》長田弘二氏(金沢医科大)
セッション2「Latest Storie」では、まずDual Source CTについて、大田英揮氏(東北大)が「慢性血栓塞栓性肺高血圧症におけるDual Source CTの臨床応用」と題して講演。同疾患の概要について説明した後、その診療におけるDual Source CTの有用性を述べた。 また、Single Source CTについては、丹羽 徹氏(東海大)が「Dual Energy Imaging Single Source CT」と題して講演。Single Source CT「SOMATOM Definition Edge」を用いたDual Energyイメージングについて説明し、通常のCT撮像の延長線上で、動きの少ない部位であればDual Energy Imagingは十分可能であると述べた。
セッション3の「Synergies in Oncology CT」では、Computed Aided Detectionについて西村 崇氏(バリューHRビルクリニック)が「健診領域でのSyngo.viaの活用」と題して講演。Syngo.viaの健診領域での活用例を紹介し、「病巣の経時的な比較が容易にでき、安定した診断精度が確保できる」と高く評価した。
Therapy Planningについて玉本哲郎氏(奈良県立医大)が「放射線治療計画用CT SOMATOM Definition AS Open RT-Pro Edition~高精度・低侵襲を目指す放射線治療のパートナーとなりえるか」を講演。玉本氏は同CTの持つ機能の有用性について解説し、「このCTは高精度・低侵襲を目指す放射線治療のパートナーとして十分な精度、機能を持つ」と結論づけた。
セッション4の「Frontier of Cardiac CT」では、Low Kv,Low Contrast Mediumとして静 毅人氏(高崎医療センター)が「当院の循環器領域における低管電圧・低造影剤量撮影の取り組みとその応用について」と題して講演し、症例を提示しながらLow Kv撮影の有用性を説明し、今後の技術革新による更なる進歩への期待感を示した。 続いて「New Benchmark of CAD Diagnosis」について、北川覚也氏(三重大)が講演。三重大での心臓CT検査の概要と取り組みについて述べ、CTPや遅延造影CTの多施設共同研究「AMPLIFiED」について紹介した。
最後のセッション5「Special Lecture」では、Two Steps Ahead in CT FieldをテーマにThomas Henzler氏(University Medical Centre Mannheim)が「Personalized CT Imaging with SOMATOM Force」と題して講演。シーメンスの最新型CT「SOMATOM Force」第1号機の使用経験について説明。同CTの特長を紹介し、症例画像を提示しながら同CTの臨床における有用性を報告した。
同シンポジウム終了後は意見交換会が開催され、「CT Image Contest 2014 Japanese Edition」の受賞者への表彰式が行われた。