エム・シー・ヘルスケア/コロナ禍の現況から今後の医療の在り方を問う
エム・シー・ヘルスケアは、11月11日、本社(東京・港区)にて、鈴木康裕氏(厚生労働省顧問、初代医務技監)によるオンライン講演会を開催した。
同社は2000年より、講演会とディスカッション、及びワークショップを中心に病院戦略や医療の行方を考察する「病院の経営を考える会」を年1回、開催してきた。各回ごとにテーマを決め、棋士の羽生善治氏など、医療関係者のみならず幅広い分野の演者が講演を行った。同会は昨年、第20回を迎えたが、本年は新型コロナの影響を鑑みて開催を見送り、代わりに「特別ウェビナー」と題したオンライン講演を開催するに至った。
鈴木氏は、「新型コロナウイルスと医療の今後」について講演。同氏は医務技監時代に政府の中枢で新型コロナ対策に従事した立場から対応を振り返ると共に、今後を見据えた医療政策と病院経営について語った。
鈴木氏は「2000年以降の感染症の世界的パンデミックの経緯から、今後は4~5年周期での発生を前提とした制度作りが必要」と提言した上で、欧米各国と比較した日本の感染傾向の分析や発生前からのマスク着用による家族内感染減など、奏効した感染対策を報告。続いてPCRなどの検査や新型コロナウイルス感染症治療薬候補の概況等について述べ、これからの感染対策として「有事に迅速に対応するサージ・キャパシティを、人とモノの面から考えることなどが大切」と語った。病院経営については、「コンタクトレスなどコロナ対策の違いで外来患者の戻りに差が生じていることに着目したい。また、『オンライン診療もできる』という診察体制がより必要であり、ウェアラブルデバイスによって来院せずとも検査ができる時代の到来にどう対応していくかは、今後のコロナ対策としても重要」と述べた。