富士フイルム/低線量・高画質のカセッテサイズX線画像診断装置発売
富士フイルムは、11月25日に東京ミッドタウン(東京・港区)で、DR方式・カセッテサイズデジタルX線画像診断装置「CALNEO Smart」の新製品発表会を行った。
同社執行役員・メディカルシステム事業部長、後藤禎一氏は「メディカルシステム事業の位置づけと、拡大するカセッテDRマーケット」を説明。同社の成長戦略における柱の1つであるヘルスケアは、2016年度に2013年度比15%増4400億円の売上高を目指しており、メディカルシステム事業はその7割以上を占めるとし、「DRは簡便性や即時性、被ばく線量低減等の優位性があり、市場が拡大している。患者・医療者へ価値ある製品を供給し、医療の発展・質向上に貢献していく」と述べた。
新製品「カセッテDRシステム『FUJIFILM DR CALNEO Smart』と画像処理ソフトウェア『Virtual Grid』の製品紹介」は、同社執行役員・R&D統括本部メディカルシステム開発センター長、早川利郎氏が行った。早川氏は、3つの特徴的な技術(CR比25%線量で高画質&大幅なX線被ばく量低減、市場拡大に伴うニーズの多様化に対応、HYDRO AG抗菌仕様)等を説明し、「X線の被ばく低減と高診断画像の課題に挑み続け、医療現場でのX線被ばく低減をリードしていく」と語った。
また岩手県立中央病院副病院長・中央放射線部長の佐々木康夫氏による「最先端のグリッドがもたらす臨床効果」の講演も行われた。従来のグリッド使用時の問題点を挙げ、「Virtual Gridは、グリッドなしで散乱線の影響を排除でき、重症患者の診断能の向上、粒状性を損なわずに被ばく低減可能、ワークフローの改善等の効果がある。低被ばくでよい画像が撮れれば、CT撮影が必要なくなるケースも考えられ、現在の画像診断のシーンが変わる可能性がある」とこの技術への期待を述べた。