病院イノベーション展/関西最大の病院向け専門展が大阪で開催

 リードエグジビションジャパンは、2月4日~6日の3日間、病院・介護・医療機器展示のビッグイベント「メディカルジャパン2015大阪」をインテックス大阪(大阪市住之江区)で開催した。来場者は3日間で2万7692人と盛況だった。
 同イベントは、「病院イノベーション展」「ナーシングEXPO」「臨床検査・診断展」「医療機器開発・製造展」「再生医療産業化展」「インターフェックス大阪(医薬品研究・製造技術展)」「in-PHARMA大阪(医薬品原料展)」の7つからなる関西最大の病院向け専門展である。
●病院設備や院内ITなど幅広い分野の製品を展示
 病院イノベーション展は、「総合」「医療IT」「感染防止・滅菌対策」「災害に強い病院作り」「ロボット・次世代」の5ゾーンにブースを分けて展示し、展示総数は120社。
 東芝情報システムは、在宅医療・介護等の多職種間での情報共有のため、スマートフォンに簡単に音声登録し、SNSでPCに画面化および蓄積されたつぶやきを自動分析し、患者状態の変化を可視化できるシステム「音声つぶやきSNS」を展示。
 セコム医療システムは、無償診療所・在宅クリニック向けのクラウド型電子カルテ「セコムOWEL」のほか、専用端末による通報で、セコム社員が駆けつけ、医療・介護事業者との連携もとれる「セコムマイドクタープラス」を紹介。
 エレクターは、ICUや手術室など、院内の多くの場所での作業効率をアップさせるモバイルワークステーションを展示。位置調整や昇降、バッテリーの長寿命化などの製品改良で、医療従事者の作業環境向上をアピールした。
●医療の質向上・地域包括ケア・病院IT等〈医療の方向性〉を講演
 セミナーでは、「医療経営戦略」「地域包括ケアの実現」「病院での大災害対策」など、多岐にわたるテーマで〈病院の今、そして未来〉について語られた。
「医療ITサミット」会場では、医療機関でのIT資産管理や情報漏えい対策、病院での独自PACSの開発と導入、プライベートクラウドと仮想化を用いた診療情報一元化の方策等をテーマに講演会が開かれた。
 2月5日の特別講演「ビッグデータが医療の未来を変える」では、紀ノ定保臣氏(岐阜大)が「医療ビッグデータ活用の成果と今後の展望」を講演。同大病院では、2004年6月の新病院開院以来、全ての診療記録等を中央一元管理/リアルタイムでの情報共有を実現した病院情報システムを運用。こうした環境が生み出すビッグデータの活用と成果を報告し、今後のビジョンを紹介。またデータの定義や活用の意義、診療、管理・運営、経営からみた医療ビッグデータのあり方について解説した。
 兵藤敏美氏(済生会習志野病院)は、「医療費削減、質向上等をもたらすとされているビッグデータをはじめとした医療データを活用することで、多くの効果を生み出すことができる」とし、同院での活用事例を紹介し、病院における医療データ活用の可能性について述べた。


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