公益信託美原脳血管障害研究振興基金/神経血管単位に着目した脳虚血研究に美原賞を授与

 公益信託美原脳血管障害研究振興基金は、2月27日にマンダリン オリエンタル 東京(東京・中央区)で、「平成26年度公益信託美原脳血管障害研究振興基金研究助成金(美原賞)贈呈式」を開催した。
 美原賞は、「脳血管障害の基礎的、臨床的研究が急務であることに鑑み、この分野での研究者による研究に対し助成を行い、もって医学の進歩と人類の福祉に寄与すること」を目的に、1981年に設立されたもの。今回(第34回)の受賞者は鈴木則宏氏(慶應義塾大学医学部神経内科教授)で、研究テーマは「神経血管単位(Neurovascular unit)に着目した脳虚血の病態改善および機能回復へ向けた包括的研究」。
 運営委員長の後藤文男氏(慶應義塾大学名誉教授)は、挨拶で同賞の選考経過を報告し、「近い将来、鈴木氏の研究は爆発的に発展するだろう」と述べた。
 続いて鈴木氏へ美原賞が贈呈され、文部科学省研究振興局局長常盤 豊氏からの祝辞が読み上げられた。
 その後、鈴木氏が受賞挨拶を行い「最近は、脳の実質内の変化に研究の目を向けている。未知のことや解決すべきことがたくさんある。美原賞を有効に活用し、さらに精進していく」と述べた。
 引き続いて行われた受賞者記念講演で、鈴木氏は研究の目的を「脳卒中急性期の病態を理解するツールとして登場したNeurovascular unit(NTV)の、慢性の脳循環代謝障害とこれに伴う脳虚血の病態への関与を解明すること」とし、「脳虚血の病態改善と機能回復に向けた研究を進めたい」と述べた。さらに、今後の研究の方向性について、①脳微小循環からみたNVU機能研究 ②アストロサイト機能からみたNVU機能研究 ③脳血管内皮機能からみたNVU機能研究等を挙げて解説した。


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