富士フイルム/米国医用ITシステムメーカーを買収
富士フイルムは、米国の販売子会社であるFUJIFILM Medical Systems U.S.A.,Inc.を通じて、医用画像情報システム(PACS)の診断画像や、各種動画など病院内の各診療科が扱う広範な診療情報を効率的に管理・保管するアーカイブシステムを提供する米国医療ITシステムメーカーTeraMedica,Inc.(本社:米国ウィスコンシン州ミルウォーキー、以下テラメディカ社)の買収を完了し、米国東部時間2015年5月11日より富士フイルムグループの100%子会社として新たにスタートさせた。
昨今の病院では、CTやMRIなどで撮影した診断画像、内視鏡検査や手術時に撮影する動画など、さまざまな診療情報が診療科ごとに異なったシステムで管理されており、これらの診療情報を一元的に管理し、患者ごとに一覧できるシステムが求められている。また、一つの病院の診療情報を管理・保管するだけでなく、複数の病院の多くの診療情報を一元的に管理し、共通のルールで運用することで、地域医療連携などに活用したいとのニーズも高まっている。
これらのニーズに応えるシステムとして、異なるメーカーのPACSや各臨床部門システムに管理されている多様な診療情報を一括して管理できるアーカイブシステム「Vendor Neutral Archive(以下VNA)」が注目され、欧米を中心に普及が進んでいる。
今回買収の対象となるテラメディカ社は、2001年に設立され、米国でトップクラスの医療体制を整えた大手病院Mayo Clinicの協力の下にVNAを開発。2003年から米国での販売を開始し、Mayo Clinicをはじめ約200の病院、全世界で合計300以上の病院へ導入されている。
富士フイルムは、2013年より米国においてテラメディカ社と販売提携を行い、同社VNAの導入を進めてきた。今回、同社を子会社化することにより、同社は病院内のデジタル化された広範な診療情報を一括管理できるVNAの導入をより加速させるとともに、病院間の診療情報を連携させるシステムを構築することで、地域医療連携の促進を図っていく。