在日米国商工会議所&欧州ビジネス協会/ACCJ-EBC医療政策白書2015年版を発表
在日米国商工会議所(ACCJ)および欧州ビジネス協会(EBC)は、5月29日に東京アメリカンクラブ(東京・港区)でACCJ-EBC医療政策白書2015年版の発表記者会見を行った。同白書には健康寿命の延長による日本経済の活性化を主題とする政策提言が記されており、その内容について6名の登壇者が概要を述べた。
会見では、クリストファー・ラフルアー氏(ACCJ会長)による同会議所の概要と提言内容の説明の後、ダニー・リスバーグ氏(EBC会長)が同協会の紹介および15年度版医療政策白書の骨子、ウィリアム・ビショップ氏(ACCJヘルスケア委員会・委員長)が同白書の概要や16年度における注目分野について語った。続いてトニー・アルバレズ氏(MSD代表取締役社長)が「健康寿命の延長による経済競争力の維持」について言及。それを支援する予防医療の重要性および医療イノベーションの経済的価値などについて解説した。
医療機器産業からは、フィリップス代表取締役社長でもあるリスバーグ氏がヘルスケアITの活用による地域医療介護連携を提案。その中で「日本で急増する慢性疾患の情報管理と共有には、効果的なITとヘルスケアマネジメントが必要。その世界成功事例を有効活用すべき」と述べた。また、浅井英里子氏(日本GE専務執行役員)は、女性の健康に関する提案の中から乳がん検診について述べ、「アジア人女性に多い高濃度乳腺による乳がんの見落としをどう防ぐかが注目されている。その対策として超音波診断装置の有用性が立証されれば、対策型健診での導入をさらに進めてほしい」と語った。最後にジョン・ハリス氏(日本ベクトン・ディッキンソン代表取締役社長)が、世界的に問題視される医療関連感染の予防対策として、「医療従事者の安全性を強化するための包括的な法制化やガイドラインの義務付け」の提案について述べた。