医療機器産業参入セミナー
神奈川県と公益財団法人神奈川科学技術アカデミー主催の「医療機器産業参入セミナー」が7月2日、KSPホール(神奈川県川崎市)で開催された。神奈川県の「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」と「さがみロボット産業特区」の特性を活かし、ものづくり企業の医療機器産業参入推進を目的にして行われた。
開会挨拶で黒岩祐治神奈川県知事は、「神奈川県では高齢社会をどう乗り切っていくかについて、全県をあげて取り組んでいる。そのため『最先端の医療技術の追求』や『未病を治す』の2つのアプローチを融合させ、新たな市場や産業の創出を目指すヘルスケア・ニューフロンティアへの取り組みを進めている」とし、県内のものづくり企業の医療機器産業参入を支える意向を示した。
基調講演は3題行われ、土屋了介氏(神奈川県顧問・神奈川県立病院機構理事長)は、「かながわの町工場から世界標準を!」の中で、日本製品の世界市場でのシェア縮小を取り上げ、日本の経済的地位の低下は日本型ビジネスモデルに問題があると指摘した。また、医療分野においても多くの医療機器が輸入品であることから、日本での開発・製品化へのプロセスを示した。
森川利昭氏(慈恵医大)は、「医療現場が求める医工連携-機器の進歩が外科手術を支える」の中で、内視鏡手術の歴史やこれからの医療機器開発について具体例を交えて語った。また、中小企業が医療機器開発参入時のポイントについても解説した。
さらに井上政昭氏(スカイネット)が、医療機器産業参入成功への方法を示した他、医療機器に関するニーズ・シーズ紹介として、テルモ、常光、イムリス、MPO、東海大、三菱総合研究所が自らの医療機器産業参入の経緯、研究開発、戦略などについて報告した。