EIZO
Making Each Life Visual
最新映像ソリューションを包括的に提案
EIZOは、「Precision Medicine」による医療情報のビックデータ時代の到来に備え、「膨大化したデータのスピーディかつ適切な処理・活用」という将来起こるであろう医療ニーズに対応するために、ここ数年でさまざまな企業を買収し、ヘルスケア事業領域を拡大している。その目的は、診断・検査から治療・手術、医療ITに至るまで幅広い分野を対象に、記録・表示・配信全てを網羅した映像環境の先進的提案を行うことにあるという。今年の展示ブースはその企業理念に則した形で構成され、分野別に各種ソリューションや新製品のデモンストレーションを実施していた。
●【参考出品】医用カラーモニター「12メガピクセル マルチモダリティ」
2019年12月の発売(予定)に向けて開発中の「12メガピクセル マルチモダリティ」を、ITEM2019で世界初公開。同製品は、デジタルマンモグラフィの画面表示において日本乳がん精度管理中央機構が推奨する「5メガピクセルのモニター2面、もしくは同等性能のモニター1面」という解像度基準を1面で十二分に満たす高精細モニターであり、かつその性能を5メガモニターとほぼ同等の外観寸法(対角線計測で30.9インチ)で実現した点が最大の特長である。また、薄暗い部屋で長時間、モニターを見続けることによる画像診断医の疲れ目防止を目的とした間接照明を、モニターの背後に設置。通常は別体のアダプタをモニター内蔵とし、読影室でのモニターの空間占有率を極力抑えたことも特長として挙げられる。
さらに同製品には、AI(人工知能)を活用した表示安定化機構を採用する予定である。これは同社のクリエイティブワーク市場向けカラーマネージメントモニター「ColorEdge」に搭載する特許出願中の機能であり、周囲の温度推定にAIを活用し輝度・階調・色度などの表示特性を安定化させることができる。
●「ワンストップの最適な読影ソリューション」
「12メガピクセル マルチモダリティ」の左横では、EIZOが15年にイメーション株式会社からシステムインテグレーション事業を買収したことにより可能となった「ワンストップの最適な読影ソリューション」の提案を行っていた。これはモニターのみならずワークステーション、キーボードやマウス、医療用に開発された昇降型デスクや椅子に至るまで、理想的な読影環境に不可欠な構成要素を全てEIZOがワンストップで提供するという包括的提案である。会場ではモニターとして「RadiForce MX26」、「RadiForce RX660」、「FlexScan EV2750」(スタンダードモニター)を採用していたが、当然、施設個々のニーズに応じて最適な機種を任意に選択・組み合わせることができる。
●「ハイブリッド手術室映像ソリューション」
ブースの右奥に、07年にシーメンスから医療向け手術内視鏡モニター事業、16年にパナソニックヘルスケア(現PHC)から内視鏡モニター事業、18年にカリーナシステムを買収したことで可能となった「手術室映像ソリューション」を展示。EIZOは手術室関連の信号ソースを集約・操作するためのソフトウェアを開発し、同ソフトによる統合管理により、術野カメラの調整や拡大、手術の記録・配信など、映像関連の操作をシンプルかつ簡単に行うことができるようになる。