島津製作所/第93回レントゲン祭
島津製作所は、2月10日、本社・三条工場(京都市中京区)にて、第93回レントゲン祭を開催した。同祭はレントゲン博士の功績を偲び1924年から氏の命日に毎年行われ、併せて記念講演会が催される。
同祭では、伊藤邦昌取締役医用機器事業部長が式辞において創成期からのX線関連事業への取り組みと昨年の活動成果について説明。その一例として、昨年4月に発売された血管撮影装置Trinias MiXパッケージを挙げ、「血管内治療をより低侵襲に行うためのツールとしてたいへん有用であると自負している」と成果を示した。今後の抱負について、「X線画像技術をさらに極めていくことはもちろん、分析計測技術に関しても医療分野にますます貢献すべく、たゆまぬ挑戦を続けていく所存である」と語った。その後、上田輝久社長が祭詞を述べ、レントゲン博士の遺影へ献花を行い、祭事は終了した。
記念講演会では、後藤泰輔氏(同社医用機器事業部)が「最新の血管撮影装置Triniasの紹介」を演題に講演。独自技術を開発しソリューションの形で提供する同社の医療機器事業は近年、①がん対策、②周産期・小児医療、③高齢化への対応、④急性期医療を中心に展開されていることを紹介した上で、④の最新事例としてTriniasの概要および同装置に搭載された独自技術について述べた。
挽地 裕氏(佐賀大)は、「心臓カテーテル治療の最新動向」を演題に講演した。同氏は冠動脈疾患の治療の歴史を述べた後、安全で有効なPCI施行のためにTriniasが果たす臨床的役割について言及。続いて、同装置を使い、2016年に日本に導入されるといわれている生体吸収型ステントを体内留置した際に可視化する研究の進捗を報告。冠動脈疾患の今後について「日本ではあと10年程度は増え続けると予想されており、それゆえ、より安全で有用な治療が望まれる」と語った。