島津製作所/国立長寿医療研究センターと共同発表
国立長寿医療研究センターと島津製作所は、豪州のアルツハイマー病コホート研究の組織であるAIBL(Australian Imaging, Biomarker & Lifestyle Flagship Study of Ageing)、京都大学、東京大学、東京都健康長寿医療センター、近畿大学と共同で確立したアルツハイマー病変検出法を用い、約2,000の血液検体の分析を開始した。
この取り組みは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の長寿・障害総合研究事業 認知症研究開発事業「適時適切な医療・ケアを目指した、認知症の人等の全国的な情報登録・追跡を行う研究」(オレンジレジストリ研究)の一環として実施するもの。高齢化が進む日本国内においては、認知症患者が2025年に700万人を超えるとの予測がなされており、特にアルツハイマー病の対策が焦眉の課題となっている。アルツハイマー病においては、発症の20年以上前から脳内にアミロイドというタンパク質の蓄積が始まり、発症のリスクを高めると考えられている。
国立長寿医療研究センターと島津製作所が中心となって確立した手法は、わずか0.5mLの血液から脳内のアミロイド蓄積度合いを推定できる。いまだに存在していないアルツハイマー病根本治療薬や予防法の開発への貢献が期待されることから、この手法の精度や有用性を国際的な共同研究のなかで多角的に検証すべく、AMEDの委託研究開発の一環で、世界の研究機関から検体を収集し分析を開始した。検体の測定は、2018年8月に本技術による受託分析事業を開始した島津製作所グループの株式会社島津テクノリサーチが行い、2019年3月末に完了する予定である。
加えて、オレンジレジストリ研究が主催し、国立長寿医療研究センターならびに島津製作所が共催、AMEDが協賛のもと、島津製作所本社を会場とした国際シンポジウム「International Symposium on Biomarkers for Alzheimer’s Disease」を2019年3月22日に開催予定。アルツハイマー病のバイオマーカーやコホート研究に関連した世界の第一人者が集まり、アルツハイマー病発症リスクの検出や早期介入について、最新知見の発表や意見交換が予定されている。
問い合わせ先=島津製作所 広報室
TEL:075-823-1110