清水建設/最短物流動線を簡単に見える化するシステムを開発
清水建設は、病院内の多様で複雑な物流動線を見える化する病院物流動線計画支援システム「サプライくん」を開発し、8月8日、本社(東京・中央区)で記者説明会を行った。
院内の搬送物品は薬剤や医材、リネン、食事など多岐にわたり、多職種のスタッフが異なる時間帯にさまざまな手段で搬送しているが、その複雑さゆえに無駄も生じ、院内物流の合理化は経営上の重要課題の1つとなっている。だが、それを実現する動線の評価は経営者にも設計者にも容易ではなく、加えて物流を想定しながら進める病院の新築、増改築設計では動線計画の評価は一層困難となり、発注者、設計者等、関係者の合意形成には時間を要している。
「サプライくん」は、上記の課題への解決策と同社は訴える。2年を要した開発に当たり、同社の病院運営経験に基づくノウハウを生かして、医材、薬剤、リネン等の物品カテゴリー別に、品目、関連諸室、搬送時間帯や頻度等をデータベース化し、標準的院内物流方式をモデルとして初期設定。これにより、条件設定等の複雑な入力作業をなくした。システム適用時には、病床数、各階平面図(手書き可)等の基本情報を入力し、物流に関係する諸室、通路、エレベータ、ドア位置等を認識させるアイコンをモニタ上の任意の位置に置けば終了。基本情報入力から約2~3時間後、平面図上への物品別の最短搬送経路の表示、搬送距離のグラフ表示、搬送状況の3Dアニメ―ション表示が提示される。
同社は、今後このシステムを活用して設計提案の他、病院の物流動線を評価・計画するコンサルティング業務を展開予定。後者の費用は概略200床規模で約100万円という。