日立製作所
<テーマ:Creating new value through innovation and digital technologies>
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医療の多様な課題解決に威力を発揮するソリューションを提案
日立製作所は、初日の13日にCTの新製品「SCENARIA View」の発表会が行われた。同モデル発表に先立ち、日立製作所執行役常務ヘルスケアビジネスユニットCEO渡部眞也氏による挨拶が行われ、「我が社のCTは、2010年に64列のSCENARIA、2013年に16列のSupriaを発売し、この2機種で事業を展開してきた。さまざまな統計から我が社のシェアは、2016年時点では世界で6%、5番目の事業となってきているが徐々に上位に迫ってきている。今回の新製品でさらに飛躍していきたい」と述べた。展示は、新製品のCT「SCENARIA View」をメインに、幅広い分野・領域にわたり行われた。
●【新製品】64列CT「SCENARIA View」
64列CTの新製品「SCENARIA View」は、3つの特長がある。1つめは、“次世代の逐次近似応用再構成機能であるIPVを搭載”。同社が独自開発したIPVは、低線量時の撮影で発生するノイズを繰り返し除去しつつ画像の質感を維持することで、胸部レントゲン撮影と同程度の低線量の撮影時でも視認性の優れた画質を得ることができる。2つめは、“ガントリ開口径が従来機の「SCENARIA」より5cm広い80cm”とした点。開口径をさらに広くしたことで、被検者に快適な検査環境を提供することが可能となった。3つめは、“撮影範囲の自動設定機能や解析処理・画像転送自動化によるワークフロー改善”。 撮影範囲を自動で設定するスキャン範囲自動設定機能「AutoPose」を搭載したことや、MPR処理や3D処理などの解析処理やサーバーへの画像転送を自動化することで、検査効率の向上を実現した。
●「DI×AI放射線科サポート・トータルソリューション」
診断・治療の質向上、業務効率の向上から患者へのサービス向上まで、医療の多様な課題解決に威力を発揮するソリューションを紹介した。その中でも同社が力を入れ取り組んでいる画像診断に、AIを活用して診断の質と効率の向上を実現させる「DI×AI放射線科サポート・トータルソリューション」は、来場者の注目を集め、AIソリューションのステージプレゼンテーションも盛況であった。このAIソリューションは、既存医療スタッフの仕事をAIに置き換えるのではなく連携して、よりよい医療サービスの提供を目指すものであり、今まで養われた放射線科医の知識と、ビッグデータ解析(深層学習)によってマイニングされた知見を組み合わせた同社独自の検出エンジン「ハイブリットラーニングエンジン」を活用し、病変候補を正確・迅速に検出することによって、医師の読影時間にかかる負担を軽減する。
●デジタル手術支援ソリューション「OPERADA」
デジタル手術支援ソリューションコーナーでは、オープンMRIや手術ナビゲーションシステムなどを導入した「OPERADA」の模型展示と、マイクロソフト社の MR (Mixed Reality:複合現実)ヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」を利用して、手術室構築イメージを体験できるコンテンツが紹介されていた。
●【新製品】X線骨密度測定装置「ALPHYS LF」
X線骨密度測定装置のコーナーでは、腰椎・大腿骨用X線骨密度測定装置の新製品である「ALPHYS LF」の実機が展示されていた。「ALPHYS LF」の最大の特長は、従来製品と比較してアームの開口範囲が広くなったことであり、レントゲン検査を行うX線撮影装置と同じ部屋に設置しやすく、オプションにより、体組成測定ソフトウェアを搭載して骨密度測定から得られるデータを用いて大腿部の除脂肪量と脂肪量の測定を行うことが可能となっている。
その他、MRI、超音波診断装置、FPDデジタルX線TVシステム、粒子線治療システム等を紹介する展示コーナーにおいても、多くの来場者の注目を集めていた。