日立製作所/台湾初の重粒子線がん治療システムを受注
日立製作所は、台湾の台北栄民総医院(Taipei Veterans General Hospital)から、重粒子線がん治療システム一式を受注した。同社としては海外で初めての重粒子線がん治療システムの受注となる。
今回受注した重粒子線がん治療システムは、呼吸に伴って移動する臓器の動きを捉える動体追跡技術と、腫瘍の形状に合わせて重粒子線を照射できるスキャニング照射技術を搭載し、水平・垂直方向から照射可能な治療室を2室備えている。また、患部の画像情報をもとに腫瘍の形状を把握し、それに適した照射線量の計算を行い患者ごとの粒子線治療計画を作成する治療計画ソフトウェアも併せて受注した。同システムは、台湾で初めてとなる重粒子線がん治療システムであり、台北栄民総医院の新棟に設置される予定である。
1958年に開設された台北栄民総医院は、“台湾最高の医学センター”として世界でも高い知名度を有している。台湾では、既に民間病院で陽子線がん治療が開始されているが、重粒子線がん治療システムの導入は初めてであり、最も人口の集中する台北市でのさらなる治療ニーズの拡大が期待される。