がん対策推進企業アクション/統括セミナー
がん対策推進企業アクションは、企業や団体とともに、がん受診率を50%以上に引き上げ、がんになっても働き続けられる社会を目指して活動を行う国のプロジェクトである。
2月28日に同アクションの統括セミナー「職域におけるがん対策のこれから」が、日本医師会大講堂(東京・文京区)で開かれた。
飯塚威文氏(同アクション事務局長)の開会挨拶の後、平成29年度がん対策推進企業の表彰式が行われ、伊藤忠商事(厚生労働大臣賞)、がん対策推進企業パートナー賞としてヤスマ(検診部門)、テルモ(がん治療と仕事の両立部門)、朝日航洋(がんの情報提供部門)が表彰された。
続いて佐々木昌弘氏(厚労省健康局がん・疾病対策課)が、「国のがん対策のこれから」について講演。2017年10月策定の「第3期がん対策推進基本計画」の中に盛り込まれた「がんとの共生」について、緩和ケア、相談支援・情報提供、社会連携に基づくがん対策・がん患者支援、就労を含めた社会的問題、ライフステージに応じたがん対策の視点から国の取り組みを述べた。
同アクションのアドバイザリーボード議長を務める中川恵一氏(東大放射線科准教授)は、「職域におけるがんリテラシーの重要性について」をテーマに講演。がんを取り巻く社会状況や就労問題などを分かりやすく解説。「がんに勝つ4つのコツ(予防)がある。0次予防が『がんを知る』、1次予防が『がんを防ぐ生活習慣』であり、2次予防が『がんの早期発見』、3次予防として『働きながら治す』があげられる」とし、「がんを知る」の具体的実践として学校教育でのがん知識の浸透、「働きながら治す」での職域でのがん対策のあり方を述べた。