日立製作所／糖尿病治療の処方薬選択支援システムを開発

　日立製作所は、米国のユタ大学と共同で「糖尿病治療の処方薬選択支援システム」を開発した。
　同システムは、機械学習を活用した解析を用いて処方薬の種類別に糖尿病の代表的な指標であるＨｂＡ１ｃ値の低減目標（治療目標）を達成できる確率を予測して患者別の特性も考慮した内容で、それぞれの効能・効果、副作用などのリスクや価格等の項目を連携する電子カルテの画面上で比較表示。２０１７年１１月に、ユタ大学と共同開発した機械学習を用いた「糖尿病治療薬の効果を予測・比較する技術」をユタ大学の診療意思決定支援システム（ＯｐｅｎＣＤＳ）と統合し、次世代医療通信規格のＨＬ７ ＦＨＩＲを用いることで、ＨＬ７ ＦＨＩＲ対応型電子カルテと連携可能な処方薬選択支援システムである。
　同システムの開発にあたり、学習に用いるデータ数や項目数を増やすことで、「糖尿病治療薬の効果を予測・比較する技術」の予測性能も向上。また、同システムは、さまざまな機械学習モデルを電子カルテと連携させるプラットフォームとしても活用することができる。
　同システムにより、患者は詳細なデータを画面で見ながら医師との話し合いにより治療方針を決める共有意思決定（Ｓｈａｒｅｄ・Ｄｅｃｉｓｉｏｎ Ｍａｋｉｎｇ）を行うことができるため、長期にわたる治療を納得して続けられるようになることが期待される。
　今後、同社とユタ大学は、同システムを用いた臨床試験をめざして共同研究を進めていく予定である。