ネットワンシステムズ/「多摩メディカル・キャンパス」3病院の共通仮想基盤を構築
ネットワンシステムズは、都内最大級の医療拠点である多摩メディカル・キャンパス内の東京都立3病院(多摩総合医療センター、小児総合医療センター、神経病院)の共通仮想基盤をそれぞれ構築した。これらの環境は、昨年3月から本年3月にかけて稼働を開始している。
これによって各病院は、従来計約110台の物理サーバ上で稼働していた計約40種類の診療部門システムを共通仮想基盤に移行して計17台のサーバへと集約することにより、設備投資コストと運用管理工数を効率化するとともに、診療部門システムの安定性と可用性が向上した。
多摩メディカル・キャンパスは、多摩地域における医療拠点として都内で最大級となる約1,600床の病床を有し、各医療施設の連携によって多岐にわたる高度で専門的な医療等を提供している。
従来、多摩メディカル・キャンパスの各病院では、診療部門システムごとに物理サーバが導入されていることから、投資・運用コスト及び障害発生時の冗長対策に課題を抱えており、各病院はこれらの課題を解決するため診療部門システム共通の仮想基盤を構築することとした。
今回構築した共通仮想基盤は、診療部門システムを稼働させるため安定性と可用性を重視しており、安定性向上については、同社が約40種類におよぶ診療部門システムの各ベンダから、システム稼働に必要な仮想マシンのCPU/メモリ/ディスク容量/ネットワーク帯域などのICTリソースを個別にヒアリングするとともに、豊富な仮想基盤の構築実績に基づく独自の設計ノウハウを組み合わせることで実現している。可用性向上については、物理サーバが障害などの異常で停止してしまう場合でも、仮想化技術を活用し、他の物理サーバ上で診療部門システムを自動的に再稼働させる仕組みで実現している。また、従来は物理サーバのメンテナンス時に定期的に診療部門システムを止めていたが、同様に仮想化技術を活用することで継続して利用することが可能になり、可用性の向上と運用効率化につながっている。
今回診療部門システム共通の基盤を整備したことにより、セキュリティパッチやソフトウェアアップデートの個別管理から解放されるとともに、各種運用・設定ポリシーが統合され、情報セキュリティの強化も実現している。
なおこの共通仮想基盤は、同社が運用・監視・保守を担い、24時間365日体制で障害の検知および保守対応を行っている。