シーメンスヘルスケア/SOMATOM Symposium 2017

 シーメンスヘルスケアは、8月26日にTKPガーデンシティ品川(東京・港区)で、「SOMATOM Symposium 2017」を開催した。
 Session1は、今井 裕氏(東海大)が座長で、「CT Image Contest 2017 Japanese Edition」が行われた。審査委員である今井氏と同シンポジウムのモデレーターを務める内藤博昭氏(日生病院)、市川勝弘氏(金沢大)、平野雅春氏(東京医大)、尾尻博也氏(慈恵医大)の6氏が、62症例にのぼる応募症例を評価。7つのカテゴリーでの受賞者と最優秀賞である「Best Overall」の発表が行われた。
【General】Single Source:垣見明彦氏(大阪市大病院)/Dual Source:前林知樹氏(神戸大病院)
【Cardio‐Vascular】Single Source:伊藤進吾氏(新東京病院)/Dual Source: 末廣瑛里奈氏(神戸大病院)
【Dual Energy】Single Source:南出哲也氏(国立九州がんセンター)/Dual Source:稲田発輝氏(天草地域医療センター)
【Exceeding Expected Performance of 1-16MSCT】松井誠一氏(慶友整形外科病院)
【Best Overall】末廣瑛里奈氏(神戸大病院)
 Session2の「Special Lecture」では内藤氏が、「History of Cardiac CT」と題して講演を行った。心臓CT検査の歴史を紹介した後、CT開発の方向性に触れ、「CTの機能向上のポイントとして時間分解能、空間分解能、Coverageの向上と、マルチエナジーの応用が挙げられるが、シーメンスの装置は、特に時間分解能とマルチエナジーの応用について、先進的な技術を有している」と述べた。
 Session3の「Focus on Acute Care」では、救急医療を中心にシーメンス製CTユーザーが講演。はじめに土谷飛鳥氏(水戸医療センター)が、「Dual Energy CT in Emergency Radiology」を演題に講演。救急医療におけるDual Energy CTの有用性を説明し、「Dual Energy CTは、見えにくいもの、見えているものをより見やすくする技術。今後の発展に期待する」と述べた。山宮 知氏(昭和大)は、「Volume Perfusion Imaging for Acute Pancreatitis」と題して講演し、急性膵炎の診断に関するWhole Perfusion CTの有用性を報告。西島 功氏(中部徳洲会病院)は、「Sliding Gantry System for Emergency Room」を演題に講演し、同院のHybrid ORの運用と有用性について説明した。
 Session4の「Focus on Oncology and Therapy」では、がん診療におけるシーメンス製CTの有用性について講演が行われた。的場宗孝氏(金沢医大)は、「The Role of 4D Imaging in Head and Neck」を演題に講演し、頭頸部がんに対するPerfusion CTの有用性を紹介。篠崎賢治氏(九州がんセンター)は、「Routine use of TwinBeam Dual Energy」について講演し、同社のDual Energy技術「TwinBeam Dual Energy」が、がんの画像診断における有用性を説明。中村和正氏(浜松医大)は「Accuracy for Radiation Therapy」と題して講演し、放射線治療における治療計画用CTの重要性を強調した。
 Session5の「Focus on New Performance of Dual Source CT」では、同社のフラッグシップCT「SOMATOM Force」と最新型CT「SOMATOM Drive」についての講演が行われた。「SOMATOM Drive: Drive Precision for all」を演題に講演した吉田守克氏(天草地域医療センター)は、国内1号機となる「SOMATOM Drive」の選定から導入までの経緯と臨床における有用性を紹介。岡田宗正氏(山口大)は、「SOMATOM Force: Tin Filtration Imaging」と題して講演し、シーメンスが開発したTin(錫)フィルターの原理と機能を説明し、その有用性について解説した。


その他の記事

GEヘルスケア・ジャパン/セラノスティクス医療啓発と普及目指しセミナー開催(24.10.21)

GEヘルスケア・ジャパンは9月20日、Web上でメディアセミナー「がん治療の新たな展望-セラノスティクスの新たな展望と課題」を開催した。 セラノスティクス(Theranostics)とは、治療(Therapy)と診断(Di-agnostics)を組み合わせた医療技術であり、放射線を使った薬剤で病気を診断しながら、別の放射線を用いた薬を…

日本放射線腫瘍学会/第37回学術大会の概要と肺がんへの最先端治療技術を紹介(24.1010)

日本放射線腫瘍学会(JASTRO)は9月19日、トラストシティ カンファレンス京橋(東京・中央区)で、学術大会前の恒例のプレスカンファレンスを開催した。今回は「肺がんへの放射線治療」をテーマに、同学会の主要メンバーが講演を行った。 初めに、同学会理事長の宇野 隆氏(千葉大)が挨拶し、放射線治療の現状と学会…

がん対策推進企業アクション/セミナーリポート(24.9.21)

がん対策推進企業アクション(厚生労働省委託事業)は、8月27日、神田明神文化交流館(東京・千代田区)にて、恒例のメディア向けセミナーを開催(オンライン含)。「がん教育の意味~ヘルスリテラシー最低国からの脱出に向け」を演題に、同事業のアドバイザリーボードメンバーの中川恵一氏(東大)が講演した。 同ア…

国際モダンホスピタルショウ2024レポート(24.8.15)

医療・介護・福祉関連製品を展示した国内最大のイベント「国際モダンホスピタルショウ2024(主催:一般社団法人日本病院会/一般社団法人日本経営協会)」が、7月10日から12日までの3日間、東京・有明のビッグサイトで開催された。今回のテーマは「健康・医療・福祉の新たなステージ ~DX推進による、確かな進化へ~」。…

JRC/「JRC2024」国際CTシンポジウム等も開催  ITEM2024は延べ来場者数約1割増で活況を呈す(24.5.1)

 放射線医療関連の国内最大イベント「JRC2024」が、4月11~14日の4日間、例年どおりパシフィコ横浜で開催された。主催は、一般社団法人日本ラジオロジー協会で、第83回日本医学放射線学会(JRS)総会(会長:陣崎雅弘氏=慶大)、第80回日本放射線技術学会(JSRT)総会学術大会(大会長:根岸 徹氏=東京都立大)、第127…

第35回関東医療情報技師会/診療情報標準化の重要性を各分野から改めて訴える(24.4.22)

 関東医療情報技師会は、4月6日、東京医科大学病院9階 臨床講堂(東京・新宿区)において、第35回関東医療情報技師会を開催した。「関東医療情報技師会」は、年に4回程度、勉強会を開催しており、その35回目となる。今回は医療情報技師だけでなく、ベンダや医療関係者にも広く門戸を開放した勉強会であり、約150名が参加…

島津製作所/恒例のレントゲン祭─リアル開催(2024.2.20)

 島津製作所は、毎年ヴィルヘルム・レントゲン博士の命日に博士の功績を称え遺徳を偲ぶ「レントゲン祭」と記念講演会を、2月9日、本社(京都・中京区)にて開催した。今回は101回目で、4年振りのリアル開催となる。  冒頭、医用機器事業部長の園木清人氏は式辞を述べた後、同社の最新トピックスを紹介。「高齢化、QOL向…

保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)/恒例の新春講演会&賀詞交換会を4年振りに対面で開催(2024.2.20)

 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は、1月23日、年初恒例のJAHIS新春講演会および賀詞交換会をイイノホール&カンファレンスセンター(東京・千代田区)で、対面方式での開催を4年振りに行った。  第1部となる講演会では、JAHIS総務会長の下山赤城氏の挨拶の後、同運営会議議長の大原通宏氏が「2024年の年頭に…

メドレーとグロービス・キャピタル・パートナーズ/「なぜいま医療DXが必要なのか?~医療DXの現在地とこれから~」セミナーレポート(2024.2.20)

 メドレーとグロービス・キャピタル・パートナーズは、1月18日、メドレー本社(東京・港区)にて、メディア向けセミナー「なぜいま医療DXが必要なのか?~医療DXの現在地とこれから~」を開催した。  同セミナーには両社から1名ずつが登壇。最初に、グロービス・キャピタル・パートナーズの福島智史氏が「医療DXを取り…

日本放射線腫瘍学会第36回学術大会レポート(2023.12.15)

■JASTR02023─展示会場にも多くの関係者が集う  11月30~12月2日、日本放射線腫瘍学会(パシフィコ横浜ノース)に合わせ、展示会も開催され、多くの関係者を集めた。以下に、小誌が注目する企業を紹介する。  ビードットメディカルでは陽子線治療装置の模擬装置が展示された。同社の古川氏によれば、「数年後の実用化」…

第43回医療情報学連合大会レポート(2023.12.15)

■テーマは「医療情報の安全な流通と活用」―時代を反映した講演が人気博す  第43回医療情報学連合大会(第24回日本医療情報学会学術大会)が2023年11月22~25日、神戸ファッションマート(神戸市東灘区)で開催された。大会長は松村泰志氏(大阪医療センター)。同大会は、現地開催に加えオンライン配信を含むハイブリ…

キヤノン・キヤノンマーケティングジャパン/キヤノンEXPOを8年ぶりに開催

 キヤノンとキヤノンマーケティングジャパンは、「Canon EXPO 2023」を、10月17~20日、東京と横浜で開催した。「Canon EXPO」は、2000年に開始し5年ごとに開催されてきたイベントであるが、2020年はコロナ禍の影響で中止になったことから、今回が5回目になる。キヤノングループの新製品群や先進技術、ソリューションをビ…

キヤノンメディカルシステムズ/スポーツ医療の最前線と可能性─現場からの証言

 キヤノンメディカルシステムズは、ラグビーワールドカップ2023に合わせ、9月10日、KABUTO ONE(東京・中央区)にて、「Global Sports Medicine Forum2023」を開催した。「スポーツ医療の最前線」をテーマとし、スポーツ医療関係者約100名が参加した(Webでも同数が参加)。  冒頭、瀧口登志夫社長が登壇しつぎのように…

国際モダンホスピタルショウ2023/医療情報システムを中心に昨年を上回る来場者を迎え、盛況裡に終了

 医療・介護・福祉関連製品を展示した国内最大のイベント「国際モダンホスピタルショウ2023(主催:一般社団法人日本病院会/一般社団法人日本経営協会)」が、7月12日から14日までの3日間、東京・有明のビッグサイトで開催された。また、7月31日まで、オンラインでの展示も併せて行わる。  新型コロナウイルス感染症が…

富士フイルム/グループ全体のDX推進指針と具体的事例を紹介

 富士フイルムは7月6日、本社(東京・港区)でDXに関する報道向け説明会を開催した。同説明会では、富士フイルムホールディングス執行役員CDO ICT戦略部長の杉本征剛氏と、富士フイルム執行役員 メディカルシステム開発センター長で富士フイルムホールディングスICT戦略部次長の鍋田敏之氏が登壇し、富士フイルムグルー…

TOPへ