THK/免震装置によるBCP-地震対策の有用性を訴える
7月20日~21日に東京国際フォーラム(東京・千代田区)でケーブル技術ショーが開催された。免震装置のメーカーで、最近では製品の医療機関への導入も進んでいるTHKは、展示を行うとともに20日には技術セミナー『4K時代を迎えて進むFTTH(光ファイバーによる家庭向けブロードバンド回線サービス)化に必要な新たな地震対策のすすめ―熊本地震を経験して最新技術はこう変わる!』に登壇した。
講師をつとめた同社取締役副社長の今野 宏氏は、大地震の起きる可能性の高い日本では免震が必要であるとして、医療機関にも十分応用できる対策等について、「2016年の熊本地震の際、多くの企業の製造拠点が被害を受け、操業停止を余儀なくされた。建物が耐震構造で問題ないように見えても、中の機器が壊れて操業できなくなるケースもあった。熊本では、地震の起きる確率は低いとされており対策が遅れていた。企業の経営者にとって、操業を停止させないBCP対策は非常に重要である。THKの免震システムは、『LMガイド(直線運動案内)』と『ダンパー(減衰装置)』から構成されている。建物自体が免震でなくても、免震テーブルや免震モジュールを使用し、機器単位、部屋単位での免震が可能となっている。4K/8K需要が期待される中、FTTH化で家まで光ケーブルをつなぐため、ケーブル局センター施設と各家の間に新たにサブセンターが必要になる。通信業界にとって大きな変化が起こり、機器・設備が変わろうとしている時こそ、地震対策を行う必要があるのではないか」と述べた。