フィリップス エレクトロニクス ジャパン/二層検出器搭載CTプレスセミナーを開催
フィリップス エレクトロニクスジャパンは、7月19日に新丸ビルコンファレンススクエア(東京・千代田区)で、2016年から日本への導入を始めた二層検出器搭載型CT「IQon スペクトラルCT」に関するプレスセミナーを開催した。
同CTは、二層になった検出器を搭載し、一度の検査で従来のCT画像とスペクトラル画像の2種のデータを取得でき、より精度の高い画像診断を実現する装置として注目されている。
同セミナーでは、同CTを臨床現場で活用している片平和博氏(熊本中央病院)が同CTの有用性について、「“患者さんに優しい”IQon スペクトラルCT」と題して講演した。
片平氏は、「このCTは有用性が多すぎて、とても説明しきれない」と同CTの性能を絶賛。まず技術的な説明を行いながら、同CTがルーティンなCT検査を行うと同時にスペクトラル画像を得られる点に触れ、臨床現場での実用性が高いことを強調した。
スペクトラル画像の有用性については、まず最大で4倍という高い造影効果が得られる事に対し、腎機能が低下した患者でも検査をすることができること、また通常の造影剤量でも情報量を多く得られる点をメリットとして挙げた。
また、脳梗塞や腸管虚血などの救急患者に対して精度の高い画像診断を迅速に行えると述べ、絞扼性イレウスに関する実臨床画像を示しながら、その画像診断機能に高い評価を与えた。
さらに、スペクトラル画像によってさまざまな診療情報を得ることができるとして、実行原子番号画像による腎結石の成分解析や、肺動脈血栓塞栓症に関する症例、総胆管結石症に関する症例画像を交えながら同CTの有用性を強調した。