ヤマハ
●音のエキスパートが院内の音を消す、遮る、整える
ヤマハは、スピーチプライバシーシステム「VSP-1」を展示し、注目を集めていた。同システムは、当事者間の会話を阻害せず、近くにいる人には会話が漏れ聞こえにくくするもの。たとえば診療相談カウンターでカウンセラーと患者が相談中、VSP-1の発する「ヤマハマスキング音」が、会話の内容を文字通りマスキングしているために、すぐ後ろで順番を待っている次の相談者や近くの待合室のソファで待機している人には、カウンターの会話の内容が聞こえにくくなる。本体サイズが幅10.4cm×奥行き10.4cm×高さ21.4cmで、本体重量は1.2kg。設置に必要なスペースは、10cm強四方。省スペースで特別な設置工事を必要としないという手軽さに加えて、VSP-1が発する同社が独自に開発したマスキング音は、聞く人に不快な印象を与えるものではないことも、すでに200ほどの病院、クリニック、薬局などで導入されている理由になっており、1週間程度の無償貸与もしている。
また、、さらに積極的な防音、漏音対策のひとつとして、簡易型防音室ユニット「アビテックス」も提案していた。このアビテックスは、1.5畳タイプから3畳タイプまでのユニットで、高い遮音性はもちろん、同様の防音室ユニットでは初の不燃認定も取得。工期を短縮できるのもユニットのメリットになる。取材当日には、“病院内に独立した検査室を……”という病院関係がアビテックスに注目をし、担当者が説明していたのが印象的だった。
この他、わずか3cm厚の聴音ボードも展示。数々のコンサートホールや楽器練習室、視聴覚スペースを扱ってきた『音のヤマハ』が開発した調音材は、音を整えるもの。病院内のあらゆる場所での安らぎ環境作り等に役立ちそうであり、多くの来場者が足を止めていた。