アライドテレシス/医療機関向け情報ネットワークセミナーを開催
アライドテレシスは、6月13日から7月7日にかけて「医療機関向け情報ネットワークセミナー―情報端末との接続連携、課題とさらなる展開」を、全国9会場(札幌、秋田、東京、群馬、金沢、茨城、福岡、大阪、静岡)で順次開催した。
同セミナーは、病院情報ネットワークの基礎知識、無線ソリューションの最新事情の紹介に加え、現在の医療情報分野において必要不可欠な情報端末との連携における有効、容易かつ安全な運用管理の方策をテーマにしたもの。
7月6日に開催された大阪会場では、基調講演として山下芳範氏(福井大)が「更なるクラウド・IoT技術の活用とSDN/OpenFlowによる新しいセキュリティ対策」と題して講演した。山下氏は、最近の病院情報システムの仮想化の流れについて触れ、「仮想化の有用性として、機器・配線を集約することでシステム管理の効率化やセキュリティ対策の強化できる点が挙げられる。福井大では、サーバラック2本でサーバ50台と端末1500台をサポートしている。仮想化を実現することで、通信のトラフィックが減少し、不審な通信の区別が容易になることは仮想化の隠れたメリットである」と述べた。さらに、福井大学における事例等を紹介しながらIoTにも言及。「IoTの進展で、今までにない医療データを取り込むことができるようになる。今後は、ビッグデータの運用を想定したネットワークの管理を考えなければならない」と強調した。
続いて、アライドテレシス社の各担当者により、次世代ネットワーク基盤で実現する院内LAN‐AMF+AWCで有線と無線の統合管理」「『自律型ネットワーク』による安定した院内LANの導入~運用」「院内ネットワークのセキュリティ対策-病院のシステムに合わせたSESとセキュリティ製品の組み合わせ」を演題に講演が行われた。
「次世代ネットワーク基盤で実現する院内LAN‐AMF+AWCで有線と無線の統合管理」では、アライドテレシスのネットワーク関連製品群を紹介した。AWC(Autonomous Wave Control)導入のメリットに触れ、ネットワーク構築に関して導入工数・運用工数・設定変更費用を大幅に削減できるという点を強調し、国内での導入事例を紹介。さらに、仮想化の同社独自技術であるAMF(Allied Telesis Management Framework)を紹介し、このAMFとAWCを組み合わせたネットワークの統合管理の有用性を解説した。
「『自律型ネットワーク』による安定した院内LANの導入~運用」では、院内ネットワークの重要性とその課題を解説。ネットワークダウンや安定しない無線LAN、煩雑な運用管理やランサムウェア被害などの課題解決策として、AWCを用いた自律型ネットワークを提案。事例紹介を交え、同ネットワーク構築と運用のポイントを説明した。
「院内ネットワークのセキュリティ対策-病院のシステムに合わせたSESとセキュリティ製品の組み合わせ」では、セキュリティに関するインシデントやアクシデントの現況を説明し、同社のセキュリティ技術であるSES(Secure Enterprise SDN)について紹介した。
その後、医療情報端末ベンダープレゼンテーションとして、ソニービジネスソリューション社による「4K対応・手術映像支援システムのご紹介」、アイホン社による「成長型ナースコール Vi‐nurse」、キャピタルメディカ社による「電子化ピクトグラム端末で実現する医療安全の強化と看護業務の効率化」、アライドテレシスによる「IoT技術を活用した医療環境可視化ソリューションのご紹介」が行われた。
最後に、同社の代表取締役副社長である長尾利彦氏が閉会の挨拶を述べ、同社のネットワークを採用している134病院が入会しているユーザー会を紹介。「当社では、2010年に医療ユーザー会を設立しており、年2回の定例会を行っている。病院情報システムの担当者同士が活発に意見交換できる場を提供する定例会では、先進的な学問的取り組みや事例発表、当社の最新技術のエッセンスを紹介するなどしている」と述べ、ユーザー会への積極的な参加を呼び掛けた。
セミナー会場は、満員の盛況で医療情報システムの責任者および担当者や自治体の医療行政関係者などが多数来場した。