重粒子線治療施設設立者協議会/国内5施設が連携して設立
国内で稼働中の重粒子線がん治療施設を所有する5機関は、『全国重粒子線治療施設設立者協議会』を設立し、7月6日に発明会館(東京・港区)で設立記者会見を行った。
所有5機関とは、①国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(治療施設:放射線医学総合研究所)、②兵庫県(同:県立粒子線医療センター)、③国立大学法人群馬大学(同:重粒子線医学研究センター)、④公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団(同:九州国際重粒子線がん医療センター)、⑤地方独立行政法人神奈川県立病院機構(同:県立がんセンター)。協議会会長には、①の平野俊夫理事長が就任した。
平野氏は、協議会設立の背景と目的を「日本は本分野で世界をリードしているが、国家プロジェクトとして長期的計画の下、必要なリソースを集中的に配した結果だ。現在、大阪と山形にも建設計画がある一方、世界の医療機関も日本製装置の購入を検討中だ。重粒子線治療の社会での存在感が増すことにより、治療施設への各方面からの要請、期待レベルも高まり、医学的な助言や指導はもとより、施設建設に関する技術的支援や運営計画の立案など多岐にわたる。これらへの対応については、治療施設同士の一層の協力体制強化が必要だ。そこで、本協議会を設立し、今後の同治療の普及発展のために、施設の設立責任者が各々の意見を取りまとめて、現場だけでは難しい課題解決に寄与していくことを目的としている」と説明した。
なお、記者会見には兵庫県立粒子線医療センター院長・沖本智昭氏、群馬大学学長・平塚浩士氏、佐賀国際重粒子線がん治療財団理事長・中川原 章氏、神奈川県立病院機構理事長・土屋了介氏が同席し、協議会への期待を述べた。
なお同日、協議会設立を記念したシンポジウムも開催された。