インテグラル
グローバルスタンダードを身近に!
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2003年に医療用具輸入販売業(現・医療機器製造販売業)許可を得て医療機器事業に参入したインテグラルは、ヨーロッパ市場で広く普及しており、昨年本邦にも導入されたドイツ製の造影剤自動注入装置「CT motion」や、肝硬度と超音波減衰量の測定を行うフランス製の肝硬度測定装置「フィブロスキャン530コンパクト」など、業務改善に役立つ製品の展示・紹介を行った。新製品MRI用インジェクター(未承認)の参考展示もあった。
●[新製品]多相電動式造影剤注入装置「CT motion」(シリンジレスインジェクター)
ドイツ・ウルリッヒ社製「CT motion」は、IVR等で使用されるバイアルタイプの造影剤が使用可能なCT造影検査専用のインジェクターである。
①シームレス機能で造影剤の分注可能:造影剤ボトルを2本セットしておき、1本目のボトルを使い切るとシームレスにもう1本のボトルに切り替わり注入を行える。これにより衛生環境を維持しつつ、廃棄造影剤を最小限とすることが期待できる。造影剤は最大500mlまでのボトルを使用できる。
②衛生的閉鎖システムによる高い安全性:造影剤だけでなく最大2000mlの生食パックがセットでき、詰め替えることなく分注できる。シリンジ方式に比べて交換回数が大幅に減らせることから、作業効率の改善ができる。また、詰替用シリンジが不要となるので、費用削減が期待できる。
③KVO機能:穿刺後から注入までの間、KVO(Keep Vein Open)機能を使用することで、血栓の発症リスクを低減する。
④選べる2タイプ:「天吊り型」と「自立型(床置型)」の2タイプが用意されている。自立型(床置型)の特長として、ケーブルレス(バッテリー内蔵のため電源ケーブルがない、操作コンソールとの間はBluetoothで通信しているため、通信ケーブルがない)で使用できることが挙げられる。操作者の作業効率の改善と衛生面に配慮した設計となっている。また、トレイやゴミ箱も標準装備されている。
⑤CT連動(オプション):CAN Class4で連動可能(CT装置により制限有)。
⑥ポンプチューブ/ペーシェントホース:注入装置内のポンプチューブ:開封後24時間まで使用可能で、時間内であれば複数回使用できる。ペーシェントホース:250cmと320cmを用意。検査目的に合わせて選べる。ダブルの逆止弁が付いており、衛生的に使用できる。
⑦ソフトウェア:シームレス機能、生食バックアップ機能、KVO機能、手動ポーズ・時間制御ポーズ、輸液残量表示、ストップウォッチ、タンデム機能(オプション)
●[新製品]肝硬度測定装置「フィブロスキャン530コンパクト」
フランス、エコセンス社製のフィブロスキャンは、肝臓の硬さを非侵襲的に測定する超音波画像診断装置。肝硬度は肝臓の線維化の度合いを表しており、同製品は、肝硬変、肝がんなどに至る肝臓疾患の診断、治療の効果判定、予防などの目的で、世界75ヵ国で使用されている。プローブには、せん断波と超音波の振動子が内蔵されており、せん断波の伝搬速度と超音波の減衰率を測定する。せん断波の伝搬は、組織が硬いと速く、軟らかいと遅くなるので、肝臓組織内のせん断波伝搬速度を測定することにより肝硬度が測定できる。一方、超音波の減衰は肝脂肪の量に依存すると海外で報告されている。「フィブロスキャン530コンパクト」は、「フィブロスキャン」の軽量型モデルで、2017年3月に発売した。