日本メドトロニック/急性期脳梗塞に関するセミナーを開催
日本メドトロニックは、2月27日にフクラシア東京ステーション(東京・千代田区)で、急性期脳梗塞に関するセミナーを開催した。
吉村紳一氏(兵庫医科大)は、「急性期脳梗塞―最先端の血管内治療 現状と課題」を演題に講演し、脳梗塞の種類と緊急治療(t‐PA静注療法と血栓回収療法)の適応やその有効性を説明。また、エビデンスが確立している治療方法の血栓回収療法を受けられない患者が多いという問題に対し、転送または出張でもカバーされない地域があるとして、①専門医がいないエリアが多い、②連携が不足している、を2大原因に挙げ、各エリアの実態調査と連携の強化が必要であると述べた。さらに、解決に向けて学会が取り組む「①調査と公表、②啓発、③実践」の3つのアクションプランを紹介した。
吉村氏は、欧米における基本スタイル「ドリップ、シップ、リトリーブ療法」(t‐PA静注療法後、専門医のいる施設に患者を転送し、血栓回収療法を行う連携システム)の有用性を強調し、つぎのように述べた。
「日本にもこの連携方式が根付けば、多くの患者さんが救われるだろう。さらなる治療の早期化を目指し、救急車内で脳卒中の病型を見分け適切な病院に運ぶためのソフト『救急隊用脳卒中病型予測スコア』を開発した。脳卒中になっても困らない国を目指して、重症脳梗塞患者を救う体制をできるだけ早く実現したい」。
同社ニューロバスキュラー事業部の永田 賢氏は、同事業部の紹介と血管内治療における同社の取り組みを紹介。「当社は脳血管内治療用の製品の開発販売をしており、その中に血栓回収デバイスがある。米国では2012年に承認、販売された。その後当社は多くの臨床試験をサポートし、エビデンスの確立を支援した。現在、社内でAIS(急性期脳梗塞)プロジェクトを立ち上げ、血栓回収療法の普及に向け取り組んでいる。今後も会社として何ができるか検討していく」と述べた。