島津製作所/レントゲン祭で博士の功績を讃え進展を誓う
島津製作所は、2月10日に本社・三条工場(京都市中京区)で、第94回レントゲン祭を開催した。同祭は、レントゲン博士の功績を偲んで1924年から氏の命日に毎年催され、併せて記念講演会が行われている。
伊藤邦昌常務執行役員医用機器事業部長が式辞を述べ、昨年の成果として「FPD搭載X線TVシステム『SONIALVISION G4』への高速透視画像処理エンジン『SUREngine FAST』の搭載、乳がんの転移診断を支援する赤外光カメラシステム『LIGHTVISION』の発売」を挙げた。また、2017年1月に発表した新開発棟「ヘルスケアR&Dセンター」の建設についても語り、「同センターでは当社のX線画像技術と分析計測技術を併せ持つ強みを生かした技術開発を行い、ヘルスケア領域においてさらなる貢献を果たしていく」と抱負を述べた。
続いて、上田輝久代表取締役社長が祭詞を述べ、レントゲン博士の遺影に献花を行い祭事は終了した。
記念講演会では、工 幸博氏(同社医用機器事業部グローバルマーケティング部)が、「SONIALVISION G4」の最新技術を紹介。胆膵系の内視鏡による検査と治療を支援する最新技術として、「SUREngine FAST」および高速画像処理エンジン「SUREngine Advance」の概要と期待される臨床効果を解説した。
芹川正浩氏(広島大病院)は、「胆膵系 内視鏡治療における透視像の重要性」を演題に講演。膵臓がんの検査・治療ツールとしてのERCPの有用性を指摘した上で、課題に医療被ばくを挙げた。その対策として、同院で導入した防護カーテンの効果について説明。また、「SUREngine FAST」の効果に関しては、「理想的なERCPを支援するファクターとして、同技術により可能となる高画質と低レートパルス透視による被ばく線量の低減は非常に重要」と述べた。