東芝メディカルシステムズ/画論 The BEST Image 2016
東芝メディカルシステムズは、2016年12月18日に東京国際フォーラム(千代田区)で「画論 The BEST Image 2016」を開催した。
今回の応募総数はCT、MR、超音波の3部門合計493件で、同日、最終選考画像54件の審査が行われ、上記3部門の上位入賞画像の発表および表彰式が開催された。
●特別講演
3部門での特別講演が行われ、CTでは、片田和広氏(藤田保健衛生大)が「超高分解能CT-現在から未来へ」を講演。CTの高分解能化が困難だった理由を指摘した後、超高分解能CT開発のチャレンジや臨床試験の成果、現状の問題点と今後の期待を語った。最後に「現時点で制限はあるものの、超高分解能CTは診断のみならず治療レベルまで変革する可能性を持った革新的診断ツールだ」と述べた。
MRでは、岸 智氏(三井記念病院)が「The Impact of Cardiac MRINon-invasive Coronary&Myocardial Deformation」を演題に、Coronary MRAの有用性とCine MRIから得られるMyocardial解析の有用性を語った。
超音波では、2題が講演され石津智子氏(筑波大)は、「今 なぜ成人先天性心疾患診断が必要なのか」を講演。「先天性心疾患の新生児が成人する時代となった。患者の心臓は大変複雑で、右室評価が求められ、フュージョンイメージングや3Dエコーが有用である。3Dはスペックルトラッキングで定量化し、より細かく患者の病態を診るべきで、超音波への期待は大きい」と述べた。
小川眞広氏(日大病院)は、「Aplio i-seriesの挑戦」をテーマに講演。「B-mode」「Data管理」「硬さ表現」「血流評価」「3D」でのAplio i-Seriesに搭載した最新技術の有用性を紹介。「今後の課題は、検査中にもストレスのない画像比較、簡便な過去画像の検証、体感的に簡便に操作のそれぞれが可能なことだ」とし、Aplio搭載のソフトやアプリケーションの有用性を述べた。
●総評
≪CT部門≫
興梠征典氏(産業医大)「CT画像には2傾向ある。年々進化しているワンストップ画像と、新たなアイデアに基づいたチャレンジングな画像だ。その存在は臨床現場を変えていく」。
粟井和夫氏(広島大)「印象に残ったのは、リンパ管造影などへの以前からの技術に対して、Aquilion ONEでの新しい技術を利用し、さらに一歩進んだ画像が見られたことだ」。
≪MR部門≫
似鳥俊明氏(杏林大)「1.5テスラにおいて頭を中心とした虚血潅流をみる技術であるASLを、全く違う視点から足先の血流をみるのに応用したことは、評価に値する」。
阿部 修氏(東大)「ASLや血流をテーマにした受賞が目立ったが、今後MRの機能情報を活用し、CTでは見えない画像を出してきてほしい」。
≪超音波部門≫
竹中 克氏(日大板橋病院)「心臓部門の最優秀賞は、検査をし、じっくり考えた上で治療方針を決め、その思考過程を東芝のアプリを使い表現した結果得られたものといえる」。