シーメンス/RSNA 2016 Flash Seminar
シーメンスヘルスケアは、2016年12月17日にベルサール神田(東京・千代田区)で「RSNA 2016 Flash Seminar」を開催した。
同セミナーは、2016年11月27日~12月2日に開かれた第102回北米放射線学会(RSNA 2016)で発表されたシーメンスの新製品や最新テクノロジーについて紹介するもので、2016年12月から2017年1月にかけ、全国9ヵ所(金沢・大阪・東京・福岡・札幌・仙台・新潟・名古屋・岡山、以上開催順)で順次開催している。
東京会場では、国家公務員共済組合連合会 虎の門病院放射線部 副部長の田野政勝氏が座長を務めた。同会場では、はじめにRSNAのトピックについて2名の識者が講演。まず、クリニカルレポートとして、福田国彦氏(慈恵医大)が、RSNA 2016のテーマおよび大会長のRichard L. Baron氏(シカゴ大)による大会長講演の内容を紹介。さらに大会の全体的な所感を「Virtual Meetingが充実し、90セッションがライブでも、オンデマンドでも見られるようになるなど参加者の利便性が良くなった。
今年は、RadiologyとOmicsの合成語であるRadiomics、画像データから抽出される定量的な指標をバイオマーカー化するために組織された研究グループであるQIBA、そしてPrecision Medicine(個別化医療)といった言葉が至るところで見られ、これらに関するセッションが多かった。IEMの人工知能『Watson』によるデモンストレーション展示なども多くの参加者を集めた」と述べ、昨年に引き続き、ビッグデータや人工知能に関する展示が盛んだったことに言及した。
次に、テクニカルレポートとして、市川勝弘氏(金沢大)がビデオによる講演を行った。CT、MRI、乳房イメージング、その他のイメージングに分けてそれぞれのトピックを紹介。CTでは、Photon Counting技術が進み、臨床を見据えた評価段階に達しているとコメント。そして、各社診断価値向上のために装置の性能を向上させており、特に定量化イメージングに関する技術の進化が著しいと述べた。
RSNAのトピックに引き続き、Ultrasound、X-Ray Products、CT、Imaging IT&Digital Health、MI、MR 、Angiography&Surgical Imagingの各分野に関するシーメンス製品のトピックスが報告された。
Ultrasoundについては、自動走査を行う「ACUSON S2000 ABVSHELX Evolution」や、ケーブルレス装置の「ACUSON Freestyle」のクロスモダリティによる新たなソリューションについて紹介した。
X-Ray Productsでは、マンモグラフィ装置に搭載された新しいトモシンセシス機能である「High Definition Breast Tomosynthesis」に関して説明。
CT分野では、Photon Counting CTの開発状況や、最新の16列CTなどについて説明した。
Imaging IT&Digital Health分野では、日本での導入が検討されている「syngo.via」の新バージョンに関するさまざまな新機能を紹介。
MI分野では、日本でも販売されているPET-CT「Biograph mCT」と、SPECT-CT「Symbia Intevo」の最新技術を説明した。
MR分野では、新製品の1.5テスラ型MRIほか、シーメンスの最新技術に関する解説が行われた。
最後に、Angiography&Surgical Imaging分野では、新製品で次世代型血管撮影装置「ARTIS pheno」について紹介した。
MRに関する製品トピックスの後に堀 正明氏(順大)が「RSNAレポートおよびSMSの臨床応用」と題して特別講演を行った。講演では、シーメンスブースで注目した技術を紹介。中でも脳神経領域の最新アプリケーションである「SMS(Simultaneous Multi-Slice)」について詳しく説明。そして、これを活用した脳神経領域のミエリン定量を行う後処理ソフトウェアについて詳述した。
セミナーで取り上げられたこれらの製品や技術の多くは、2017年4月14日~16日にパシフィコ横浜展示ホール(横浜市)で開かれる2017国際医用画像総合展(ITEM 2017)にも出展される予定である。