シーメンス/SOMATOM Symposium 2016
シーメンスヘルスケアは、8月27日にTKPガーデンシティ品川(東京・港区)にて「SOMATOM Symposium 2016」を開催した。
開会に際してモデレーターの内藤博昭氏(日生病院)は、オリンピックになぞらえて「シーメンスのCTは、時間分解能とマルチエナジーで“金メダル”を獲得できる」と述べ、参加者には今回のシンポジウムを通じて知見を広めてほしいと述べた。
同シンポでは4つのセッションが行われた。はじめにSession1として、今井 裕氏(東海大)を座長に、「CT Image Contest 2016 Japanese Edition」が行われた。今年からカテゴリーと選考方法が変更され、審査委員である内藤氏と今井氏、市川勝弘氏(金沢大)、平野雅春氏(東京医大)の5氏全員が58症例にのぼる全応募症例を評価。12のカテゴリーでの受賞者と最優秀賞である「Best Overall」の発表が行われた(4D Single-Dual Sourceは該当なし)。受賞者は下記の通り。
【General】Single Source(以下S):松本一則氏(魚沼基幹病院)/Dual Source(以下D):谷 和紀子氏(神戸大病院)
【Cardio-Vascular】S:津田 守氏(国保旭中央病院)/D:小田志穂美氏(東海大病院)
【4D Spiral-Dual Source】D:関谷俊範氏(神戸大病院)
【Dual Energy】S:猪俣崇亨氏(富士市立中央病院)/D:中井雄一氏(昭和大病院)
【Technical】S:石田智一氏(福井大病院)/D:福田剛史氏(鈴鹿回生病院)
【Exceeding Performance of 1-16MSCT】津田 守氏(国保旭中央病院)
【Exceeding Expected Performance of 20-64MSCT】林 圭吾氏(製鉄記念広畑病院)
【Best Overall】南 汐里氏(金沢医科大病院)
Session2「The Frontiers of CT technology」では、同社のCTに関する最新技術が紹介された。まず、村上省吾氏(村上記念病院)が、「TwinBeam Dual Energy:ルーチン検査でDECTを」と題して講演し、Single Source CTにおけるデュアルエナジー撮影技術「TwinBeam Dual Energy」の使用経験を報告。市川泰崇氏(三重大)は、「Advanced Visualization System“syngo.via”当院におけるsyngo.viaCT用アプリケーションの臨床活用」と題して講演し、腹部パーフュージョンCTや体幹部ルーチンCTの読影支援機能などを紹介した。そして室伏景子氏(がん研有明病院)は、「Therapy Planning:子宮頸がんの小線源治療における3次元治療計画」と題して講演、CT「SOMATOM Definition AS」の子宮頸がん小線源治療における使用経験を報告した。
Session3「Keynote lecture」では、「The Innovations of SOMATOM CT」と題し、伊藤俊英氏(シーメンスヘルスケア)が講演。現在開発を進めているフォトンカウンティングCTなどを紹介した。
Session4「The frontiers of Dual Source CT」では、同社のDual Source CTによる最新の臨床応用事例を紹介した。まず、西井達矢氏(神戸大)が、「Personalized CT in Cardiovascular Imaging:The force drives personalization in the cardiovascular imaging」と題して講演し、同社のフラッグシップ機である「SOMATOM Force」を使用した心大血管領域での事例を紹介した。次に福田健志氏(慈恵医大)が、「Dual Energy CT in Rheumatology」と題して講演し、乾癬性関節炎(PsA)の早期診断で「SOMATOM Force」によるデュアルエナジー撮影が有用と述べた。そして最後に、「Dual Energy CT in Neurology」と題して野口 京氏(富山大)が講演。自身が開発した新たな撮影法「X-map」について紹介し、急性期脳梗塞などの画像を示しながら同撮影法の説明とコントラストメカニズムを解説した。