フィリップス・ジャパン/日欧の放射線科医が現在の医療における課題を討論(25.4.21)
フィリップス・ジャパンは、3月19日、同社本社(東京・港区)にて、「日本の医療が抱える課題、その解決策としてのAIやDXの活用の進展と課題」と題したプレスセミナーを開催した。 冒頭、プレシジョン ダイアグノシス事業部長の門原 寛氏が登壇し、国内の医療機関における放射線科の課題と、その課題解決に向けたAI技術を紹介。MRI検査における検査準備から高速撮像技術や、CTにおけるAI画像再構成技術「Precise Image」などについて紹介した。
次に、スピーカーとして招待されたロイヤル フィリップスでチーフ・メディカル・オフィサー(CMO)を務めるAtul Gupta氏、慶應義塾大学の陣崎雅弘氏、浜松医科大学の五島 聡氏が登壇し、門原氏をファシリテーターとしてパネルディスカッションが行われた。
世界における医療の課題についてGupta氏は、「日本と同様、高齢化の進展、疾患の複雑化に加えて医師不足が挙げられる。これらの課題解決のためにAIをはじめとするデジタル技術を活用しなければならない」と訴えた。
陣崎氏は、「日本も世界も抱えている課題は同じだ。ただし、AIを人材として代替させるのではなく、医療スタッフのワークフロー改善に用いるという方向性でなければうまくいかない」とAI技術の特性に触れながら戒めた。五島氏は画像診断における課題として「日本はCTの保有台数の比率が世界トップなのに対し、放射線科医の比率は非常に少なく、CT検査に放射線科医が十分関与できていない。この課題を解決するために医用画像のセンター化などを進め、放射線の専門家による画像の管理・運用を推進する必要がある」と述べるなど、医療の課題解決に向けて意見が交わされた。