フィリップス・ジャパン/ヘルスケアリーダーへの調査レポート日本版を発表(24.10.21)
フィリップス・ジャパンは10月2日、オランダ大使館(東京・港区)で、調査レポート「Future Health Index 2024日本版」の記者発表を行った。
ヒルス・ベスホー・プルッフ大使の挨拶に続き、ロイ・ヤコブスCEO、ジャスパー・ウェステリンク社長が登壇。日蘭関係にも触れ、市場としての重要性と事業を通じた日本のヘルスケアへの貢献をアピールした。
同調査は、14ヵ国の医療機関役員などを対象に実施。「Future Health Index(未来の医療環境指数)」とは、将来の医療課題に対する患者と医療従事者の意識をベンチマークしたもので、患者により良い医療と価値をもたらす3テーマに対する意識を検証、数値化している。
記者発表後のトークセッションには、司会の乗竹亮治氏(医療政策機構代表)、ゲストの鈴木康裕氏(国際医療福祉大学長)、宮田裕章氏(慶大)が登壇。喫緊の課題である人手不足解消のための日本の医療現場のデジタル化を各氏が訴えた。
鈴木氏は、「オンプレミス型の管理では医療機関同士の繋がりがない。コミュニケーションの重要性と医療データの扱い方に懸念があることも踏まえ、政策主導で情報管理システムを構築する必要がある。また、日本の医師の担当病床は米国の5倍ともいわれ、AIによる効率化は可能であり、医療現場の働き方改革は患者のケア向上にも繋がる」と述べた。
また、レポートでは、オランダやシンガポールの医療従事者、患者ともにバーチャル・ケアを90%以上が肯定的に捉えている一方、日本は約15%と低いと指摘。調査結果を受け、宮田氏は「日本の医療は広く行き渡り、悪いものではない。古くなったものを新しいものへ置換するのではなく、デジタルやテクノロジーによって今までにないものを生み出すことが必要である」との考えを示した。